- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414898
感想・レビュー・書評
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小説が一編挟まれているが、若冲を中心に描いているわけではなく、ただ違和感を覚える。
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p.53までとp.111〜133「若冲灯籠」のみ
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若冲アンソロジー。
『澁澤龍彦他』と著者のところに売れそうな名前を出すのはいかががなものかと思いますが…。
小説が一作品だけあるのですが私の持つ若冲のイメージからかなり外れておりました。何だか俗物っぽくて…。 -
若冲に関するアンソロジー。
日本美術は疎いので、若冲も蕭白も芦雪もほとんど名前ぐらいしか知らないのだけど、澁澤龍彦から蔵原惟人まで執筆者が面白そうだったので、ミーハー心で手に取った。
最近は名前がよく知られているものの、御物として作品「動植綵絵」が残っているわりに生涯はよく分かっていないらしい。
親しい禅僧大典が墓表に刻んだ文がほとんどすべてのようだ。もともと京都の裕福な青物問屋の嫡男だったが、家業を弟に譲り、相国寺の禅僧に師事して、妻帯せず酒も飲まず外出もほとんどしないで、後半生画業にふけったという。なんとなく、ヴァールブルグに重なる。
画風は、当時主流だった狩野派に学んだがその画法を棄てて、現物の写生にもとづく緻密な写実を特徴とした。
もともと装飾過剰であまり評価が高くなかったのが、1970年代にモダニズムに対するポストモダニズム的なものの再評価の中で、脚光を浴びるようになったようだ。
澁澤や種村らが口をそろえてマニエリスム的だというように、若冲の時代(天明年間頃)は、教条主義的な狩野派から距離を置く動きがあったのだろう。作品が皇室御物に収められていることからも、主流ではなくても当時は評価されていたことが分かる。推測だが、明治・大正になって装飾過多な東照宮などが評価を落としたのと同様に、装飾過剰で綿密な若冲も忘れられていったのが、また70年代に浮上してきた、ということだろう。
今度展覧会が企画されたら、行ってみようと思う。 -
伊藤若冲についてのエッセイのアンソロジー。
様々な著者のエッセイが収録されているが、図版がないので、ちょっと面倒ではあるが、画像を検索しながら読んだ方がより楽しめるかもしれない。
それにしても、若冲っていつの間にこんな人気になったんだろう……。