- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414928
感想・レビュー・書評
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少女雑誌に掲載されただけあって、残酷で煽情的な殺人場面がないところが好ましい冒険活劇。
探偵役の青年男女、ハネ子と茶目助というあだ名が時代を感じさせる以外は軽妙な語り口が終始読みやすく、物語のタネと構成に満足できるかどうかは別として読後の満足は高いと思う。すれ違いを含めた悪役との二転三転の攻防が、どこまでブラフなのか分からなくなって最後まで気が抜けないところが特に良い。疑うほどに疑いが膨らむ(笑)。爽やかな大団円もマル。
で、ハネちゃんと茶目坊の依頼人が「警察へ届けないように」と念を押した理由が最後の種明かしでもちょっと理解できなかったのと、高名な犯罪学者のホンモノはちゃんと存在していたのかがぼんやりしていたので(ホンモノ登場、だと分かりやすかった)そこが残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少年探偵団とか好きな人にオススメしたい。
好奇心旺盛な主人公の二人(咲子と敏夫。20前後の若者です)が生き生きと活躍する様から読んでる最中「少年探偵団よりちょっと対象年齢が上向けのYA作品みたいだなぁ」と思ってたんですが、巻末の解説で「少女倶楽部」という雑誌で連載された作品と知って納得。大正14年初出作品なんですよ。凄いですね。
内容は、推理モノというより青年と少女が機転をきかせて冒険活劇してるエンタメ作品。明らかに怪しい男とか出てくるんだけど、そいつに無邪気に事件の情報を喋っちゃう辺りとか「あー!あー!しむらーうしろー」の気分で大変楽しめました。
さらなる森下雨村作品の復刊を楽しみにしております。