ねこのおうち (河出文庫 ゆ 3-4)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309416878

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  • 柳美里さん新刊「ねこのおうち」 東日本大震災…救いのある物語へ - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/160627/lif1606270009-n1.html

    ねこのおうち :柳 美里|河出書房新社
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309416878/
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309024721/

  • ひかり公園に捨てられた子猫の兄弟が、それぞれの居場所を得る話なのだが、一つ一つの話の中に生と死が絡みあって、さらっと残酷な人間の姿が描かれている。最初の話は気が滅入ってしまったが、最後はホッと安心しました。

  • ねこを中心にした、人間の物語。同じ町で、ねこの繋がりをたどりながら展開する。

    留香にひかる、田中さん・・・痛々しいこともある人間の日々に、一度は捨てられたねこがスルリと入り込み、ニャアと鳴いてご飯を、生きつづけることを、要求する――読むうちそんなイメージが浮かぶ。声高にガンバレとか生きろとか、人が人に言うのではない。ねこのいる日々が、生きることを支えてくれている感じ。
    そして全体を、渡辺さんと"ニーコ"の互いへの愛が、ゆったりと包んでいる。
    まっすぐで、静かなまなざしのねこの挿画もとてもいい。

  • これはダメだ。うちの猫を抱いて泣いてしまった。最初の「ニーコのおうち」が切なかった。認知症、不登校、病気…色んな問題を抱える人間との出会いがあり、別れがあり、猫と暮らす人がいる。うちの最高齢の猫は16歳。乳飲み子のときから育てた。ここがおうち。ずっと一緒にいようね。

  •  無類の猫好きなので猫に関するあらゆる本を読み漁っていますが、この本は1話で耐えきれず閉じてしまいました。可愛らしい表紙の絵柄と、内容のあまりの落差に衝撃を受けました。精神状態が安定していなかったので号泣してしまい数日引きずってしまったくらいです。落ち着いたら最後まで読もうと思います。
     どうかこの世のすべての猫に幸せが訪れますように。

  • 生と死に向き合う柳さんらしい目線で描かれた猫のお話。

    正直、序盤で読むのが辛くなった。
    野良猫を取り巻く厳しい現状と、手を差し伸べる人達。
    可愛い、可哀そう、癒される、そういうファンタジーではない、リアルな野良猫たちの物語。
    野良猫の生と死と、人間の生と死を絡め、胸苦しくなるものの、ラストは救われた思いがし、涙した。

    手元に置いておきたい一冊。

  • 野良猫の多い公園の近隣に住む人々と猫の話それぞれ生活がありそれぞれの悲しみ苦しみがある。
    子どももいろいろ人間関係で悩み独身男性も暗い過去を引きずる。

    カモメ動物病気の港先生の呑気な感じが場を和ませる。全て違う家の話でもみんな港先生との関係があり町内の関係がある。

    読みながらとにかく猫が幸せになりますようにと思いました。住んだ家によってかなり生活が変わる。

  • 読むのがしんどかった。
    1話目で読むのをやめてしまおうかと思ったけど…
    借り物だし
    もしかしたら救いがあるかも…と。
    色々考えさせられる話だったけど…
    ちょっと…引っ張られておちてる…

  • やっぱりわたしは動物は飼いたくない、と思うお話だった。お話がしっかりしてるからこそ。それは安易なペットブームみたいなもので語ってはいけないいのちの重さを描いているから。るかちゃんの気持ちにいまいちうまく寄り添えなかったな。

  • 捨て猫とそれに関わる人たちをめぐる物語を
    独特な語り口調で書き綴られている連作短編。
    はじめの1話目はノラ猫好きにはとてもきっつい話なので
    家で読むことをおすすめします。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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