出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309417318

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから下世話な話か?と読み始めたのに、すぐ印象が変わった。知らない人と会って最短30分で会話をして、その人に合った本をすすめる。二度と会う事もないかもしれないというサッパリとした気持ちと、相手の事を聞いて合うであろう本を選ぶという観察する、浅くて深い(ぽい?)部分が興味ひかれた。何より「こんな本はいかが?」と提示される脳内の引き出しの多さよ。自分も選んで欲しい!と思ってしまう。けれど、それには自分をまず晒さなければならないのだなぁ。読んでみたい本が沢山出来ました(^-^)

    作中の「ここにいる人は、みんな【どこかへ行く途中】の人だ。」という言葉が印象的だった。知らない人と会って、言葉を交わす出会い系サイト。何かを変えたい、けれどどこか不安で、すこし自分をさらして寄り添うような場所なのかもしれない。と著者は言う。

    それって物凄くエネルギーのいることにだなあと思う。何かを変えるため、進んでいる人のエネルギッシュさにあてられた。自分が人見知りなので、羨ましくもあり、でもやっぱり出来ないなあと眺めるだけになりそうだ(*つ▽`)

  • ヴィレヴァンの店長だった著者が出会い系サイトで出会った人たちに本をすすめるという実話小説。もうタイトルのままなんだが、実はそこに恋愛は存在しない。著者が夫婦のこと職場のことで悩んでいた時期にもがき苦しみ、本を紹介する過程で立ち直っていく話だった。
    知らない人と出会うということはもちろんリスクもある。著者が使っていたサイトは比較的安全だったようだが、それでも男性からの性的な誘いや嫌な気分になった体験もあった。でもそこで出会った人との交流で徐々に自分を取り戻していく姿が魅力的だった。新しい人との出会いとはなんてハイリスクハイリターンなんだ。
    何より驚くのは、この構成の素晴らしさ。始まりから終わりまで綿密に計算されたかのような展開なのだ。これが著者の魅力。違う文章(できればエッセイではなく小説)も読んでみたい。
    改めて思う。本っていい。自分から求め探すのもいいし、人からすすめられるのもいい、そして人にすすめて喜んでもらうのもいい。著者がすすめた本を少し読んでみることにする。

  • 普段ビジネスや自己啓発本を多く読んでいるので、箸休めに違うジャンルのものをと思い、読み始めました。

    これがとても面白かった。

    出会い系サイトというちょっと怪しそうな入りからは予想できないくらい著者の心の成長や環境の変化など、一見ヘンテコな世界に迷い込んだかと思いきや社会の縮図のようなお話がとても面白かったです。

    ひとりの人が周囲の後押しやタイミングもあって、こうやって変わっていくんだというお話が、シリアスになりすぎず読みやすい話運びで書かれているので、ぜひ小難しい本に疲れた人に読んで欲しいと思いました。

  • 菜々子、33歳。職業、書店員。既婚、ただし家を飛び出し別居中、どん底人生まっしぐら。そんなある日、目についた出会い系サイト「X」に登録、初対面の人にぴったりの本をおすすめし始めて…これは修行か?冒険か?「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説。

    何だかとても不思議な読後感。

  • すごく面白かった!
    行動一つで世界ってそんなに広がるんだなあ(それが結構難しいんだけど)
    その時の環境とか状況で全然読みたい本も変わってくるし、今の自分が薦めてもらうとしたらどんな本だろうと想像しながら読んだ

  • その人の置かれた環境や、その時の心情などの要因によって本に対する印象は異なるということを改めて実感した。
    私はこの本を読んで、もっと自由に気の赴くままに生きていこうと思った。

  • まあ題名通りなんだけど、色んな人との出会いをきっかけに自分を客観的主観的に見つめる、的な作品。読んでて楽しかった。 

  • たくさんのパワーをもらえて、クスッと笑えて、ほろっと泣ける!

    SNSもよく知らなかった著者が、出会い系サイトを使ってリアルで何十人もの人と会う、その行動力に脱帽。元々コミュニケーション能力が高いんだろうけど、出会った人に寄り添おうとする、そこから何を自分の糧にするかを選ぶ、著者のその姿勢を尊敬する。

    それまでの世界では絶対に出会わなかっただろう人達とリアルで会って話すなんて、すごく貴重な経験ですごい財産になるに決まってる!

    読みながらワクワクして、うらやましくて、自分の未来まで明るく見えてくる本。

  • 最後の文章がしびれた。というのも、人から勧めてもらって読んだ本だったから。
    自分のエピソードを、他人が読んで面白いと思うようにストーリー化できることがすごいと思った。
    人との出会いはやっぱり不思議だ〜〜〜

  • ラノベっぽいタイトルで敬遠してたけど、それは勿体無かったな。
    人に会いまくることで自分の本当の欲に気づく、みたいな事って確かにある…。

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著者プロフィール

1979年、東京都生まれ。「ヴィレッジヴァンガード」、「二子玉川蔦屋家電」ブックコンシェルジュ、「パン屋の本屋」店長を経て、現在は「HMV & BOOKS HIBIYA COTTAGE」の店長。

「2020年 『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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