カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢 (河出文庫 エ 1-2)
- 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309461571
作品紹介・あらすじ
『百頭女』につづくコラージュ・ロマンの傑作。エルンストによる詩的自伝、コラージュ論を併録。
感想・レビュー・書評
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再読。同じシリーズの『百頭女』よりもこちらのほうが、ストーリー性があるというかテーマが明確で比較的わかりやすい。タイトルですでに「少女の夢」であることが明言されているので、多少の不条理や非整合性は許容されてしまうし、つまり悪夢とはこういうものだから。
エルンスト自身による「M.E.の青春についての若干のデータ」「ウィスキー海底への潜行」も収録。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「百頭女」に続くコラージュ・ロマン三部作の二つ目。プラスで自信の青春時代を振り返ったエッセイ(っぽい何か)と、シュルレアリスムについての評論文が収録されている。本編は、エロさと不気味さと滑稽さが入り混じってあいかわらずのおもしろさだけど、イントロに短い舞台設定的な文章がついているし、キャプションも若干饒舌で興味深い。エッセイっぽい何かと評論文は、平文なのに訳者脚注がなかったらなんも意味分からないほどエルンスト的な文章でおもしろい。
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タイトルからもうキてるよね。
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シュルレアリスムなんて聞くと小難しく思うが、これはもうコント。
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この少女の夢はなんておぞましい狂気、もしくは凶器なのだろうか。
何とも刺々しくて、危うくて、繊細。
「百頭女」では滑稽すぎて馬鹿ウケしていたのだが、本作では勿論ウケもするがそれよりも執拗に迫り来る黒さに哀しくなってしまった。
それは序文らしきものを先に読んでしまった先入観だと思うが、序文だもの先に書いてあったんだもの仕様がないでしょ、と開き直りたい。 -
コラージュ地獄!!
大好き。 -
マックス・エルンストの展覧会やってくれないかな。
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エルンストのコラージュ本3冊目「慈善週間」とはうって変わって、各絵に舞台劇のようなセリフとシナリオがあり、文字量も増えています。今度はその言葉によってストーリーの流れがはっきりしているのでより1本のお話めいて見えます。…やはり百頭女の方が好きですね。