葬儀 (河出文庫 シ 3-2)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462257

感想・レビュー・書評

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  • きれいはきたない、きたないはきれい。とんでもないものを読んでしまった。先に後期の『恋する虜』や政治的テキストを読んで、ジュネの光の部分の思想に触れていなければ、これら初期の(糞尿まみれのポルノグラフィともとれる)闇の世界を読み切ることができなかったろう。それが今や、その汚辱、裏切り、悪から美を掬い上げ詩情たらしめるジュネの言葉の操りに心酔しているのだから。入り組み難解で卑猥な文章もこの美しさがあれば十二分に堪能できる。これを機に、嘗て何度も挫折した『花のノートルダム』や『泥棒日記』に再チャレンジしたい。

  • 過激と愛があふれた物語。同性愛者ではないが違和感なく読めた。

  • 同性愛と矛盾と混沌の物語。「ジュネ文学の極北」。めまぐるしく展開する場面と、ちょっと油断すると妄想とも現実ともつかない描写、濃厚な同性愛描写にくらくらとする。

  • ジュネ作品のなかでもとくに、ナチスがらみであることと、同性愛の性描写が露骨すぎるというので、問題視されることの多かった作品らしいのですが、うん、なるほど、って感じでした。恋人を失ったジュネがその悲嘆と苦痛のあまり、というよりむしろ哀悼と追想の想いから果てしなく繰り広げてゆく自己救済的妄想が、そのままひとつの物語りを構築してゆきます。それを書く行為そのものが、彼なりの埋葬の儀式だったのだと、そう思わされる作品でした。

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著者プロフィール

ジャン・ジュネ(Jean Genet)
1910年、パリで生まれる。父は不詳。七ヵ月で母親に
遺棄されモルヴァン地方の指物師の家の養子となる。
小学校卒業後わずか一〇日で職業訓練校の寄宿舎から
逃走。放浪する間の微罪のため一五歳で少年院に収監
される。一八歳で軍隊に入隊、中東、モロッコなどに
配属されたのち、1936年脱走する。訴追を逃れるため
贋の身分証でスペイン、イタリア、ユーゴスラヴィ
ア、チェコスロヴァキア、ポーランド、オーストリ
ア、ドイツ、ベルギーを転々とする。

1937年フランスに戻り、以後七年間に窃盗などの罪で
一二回告訴される。1942年、フレンヌ刑務所在監中に
詩集『死刑囚』を出版、以後矢継ぎ早に『花のノート
ルダム』『薔薇の奇蹟』『葬儀』『泥棒日記』など、
犯罪者の、また同性愛者の立場を公然と引き受けた特
異な小説群を発表、コクトー、サルトルらの賞賛を受
け作家としての名声を獲得する。1949年に最終恩赦を
受けたのち六年間沈黙。

1955年から戯曲『黒んぼたち』『バルコン』『屏風』
を発表し劇作家としてカムバックする。1968年以降は
アメリカ黒人解放闘争、パレスチナ解放闘争、移民運
動などに加担、ときおり特異な政治評論を発表してい
たが、1986年パリで死去。パレスチナ滞在期の追憶を
中心とする長編回想記『恋する虜』が絶筆となった。

「1999年 『アルベルト・ジャコメッティのアトリエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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