タラウマラ (河出文庫 ア 5-3)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309464459

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  • アントナンアルトーによるインディアン"タウラマラ"の分析。実際に接触して文化や思考を哲学的に分析している。

  • 奇怪なイメージと幻覚キノコを用いた儀式が精神異常の作家に与えた衝撃は凄まじい。後期ハイデガーにも通じる反近代的な、古代的な思考回路が無造作に提示されている。後期集成1の再録と補足が本書。異様な世界観が面白い。

  • タラウマラ族とは現存するメキシコの先住民族。「夜想」でおなじみペヨトル工房の社名の元ネタにもなったペヨトル(ペヨーテ)という一種の幻覚作用のある植物を用いて独自の儀式を行う。これにはまったアルトーが数か月タラウマラ族に取材してあちこちで書いた文章を1冊に集めたものがこちら。

    正直、シラフの人間が読んでもピンとこない部分も多々あり。こればっかりはどうしようもない。まあアルトーですし、哲学的というか理屈っぽいというかけしてわかりやすい文章ではないですし。雰囲気でなんとなく言いたいことは察せるかな程度の駄目読者。

    タヒチにはまったゴーギャンとちょっと通じるものがある気がする。ゴーギャンには「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」というタイトルの絵がありますが、アルトーがタラウマラ族から感じたこともそういうことだったんじゃないかと。それにしてもそれでもなお、キリスト教とはどうしても切り離せないものなのかなあ。無宗教の日本人にはその根の深さはわからないですね。

    ※収録作品
    タラウマラ族におけるペヨトルの儀式/タラマウラの国への旅について(記号の山/ペヨトルのダンス/アンリ・パリゾーへの手紙)/トゥトゥグリ/『エル・ナシオナル』に掲載されたタラウマラ族に関する三つのテクスト(東方の三博士の国/自然はみずからの円環において……/ある原理-種族/アトランティス王たちの儀式)/『ヴヮラ』に掲載されたテクスト(失われた人々の種族)/『タラウマラの国への旅』の補遺/付録/ペヨトルに関する一注釈/タラウマラ族に関する手紙

  • 『ヘリオガバルス』に続く文庫版のアルトー、2冊目(※)。
    思索の結果……というか、思考の流れるままに書かれたような文章。非常に詩的だ。
    それにしても、アルトーが続々と文庫化される日が来るとは思ってもみなかったよ……。

    (※実際には〝神の裁きと訣別するため〟が同じく河出文庫から出ていたようだが、現在は品切れのようだ。こっちは復刊されるのだろうか?)

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著者プロフィール

1896-1948年。「思考の不可能性」を思考するフランスの詩人。「残酷劇」を提唱する演劇人。西洋からの脱却を必死に試みて、後年、精神病院へと監禁される。激烈な生涯と『演劇とその分身』『ヘリオガバルス』等の著書によって巨大な影響を与え続けている。

「2019年 『演劇とその分身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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