「世代」の正体: なぜ日本人は世代論が好きなのか (河出ブックス)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624785

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  • 序章 「世代」は社会を揺るがす
    第1章 「大正青年」―軽い若者と厳格な父
    第2章 階層、党派、地域の格差―「世代論」以前の時代
    第3章 大正生まれから焼け跡まで―戦前・戦中・戦後という断層
    第4章 「戦後」という言葉が生きていた時代―二度の安保闘争と高度経済成長
    第5章 シラケ世代―一億総中流時代の若者たち
    第6章 バブルな経済とオタクな文化
    第7章 「決められない」九〇年代と「決めつける」ゼロ年代

  • 大正(1910年代)から平成に至る100年間における「世代」の変遷を見ていく事で、世相の移り変わりが分かる本。
    どうやら世代とは、自分が生まれ育った時代背景で生き抜くために、大多数の人が取りうる戦略的思考、という事になるようだ。

    会社や地域社会などのタテ社会が衰退し、学校やネット空間などのヨコ社会を重要視する「これから」を生きる世代が時代のけん引力となった時に、他の世代にいる私は、どういう方策で彼らと意思疎通を図るべきなのかと、しばし考え込んでしまった。

  • 「まったく、今どきの若者は・・・」という台詞はいつの時代にもある。また、いつの時代にも若者は○○世代と言われる。その世代を明治時代から、今に至るまで、上の世代からどのように見られていたかを語る。面白かったのは、自分たちの世代を、上の世代からいろいろ言われると否定したくなるのは常だが、「ゆとり世代」だけは、自分たちを「ゆとり世代ですから」と言う。空気を読むのがうまいと言われる「ゆとり世代」だが、上の世代の空気を読めないという部分もあたっていると思う。後半は面白かったが、前半の明治〜大正の話が本文の半分くらいでちょっと飽きる。

  • 大正青年から脱ゆとり世代まで、世代というものをつらつら書いた本。自分の世代以降は面白く読めたが、でもふーんって感じであまり残らない。
    大正生まれ世代(一九一二~二六年生まれ)
    昭和一桁世代(一九二六~三四年生まれ)
    焼け跡世代(一九三五~四六年生まれ)
    団塊の世代(一九四七~四九年生まれ)
    全共闘世代(一九四一~四九年生まれ)
    シラケ世代(一九五〇~六四年生まれ)
    バブル世代(一九六五~六九年生まれ)
    新人類(一九六一~七〇年生まれ)
    氷河期世代(一九七〇~八二年生まれ)
    団塊ジュニア(一九七一~七四年生まれ)
    ポスト団塊ジュニア(一九七五~七九年生まれ)
    ゆとり世代(一九八七年生まれ以降。おそらく一九九九年頃まで)
    脱ゆとり世代(二〇〇〇年以降生まれ)
    だそうです。

  • 150207 中央図書館
    読んでいると、ああ、あれもあったよね。そういう時間軸の関係だったのだ・・と腑に落ちてページが進む。だが、少なくとも「世代の正体」について論ずるという本ではなく、明治以降のその時々の特徴的な時代背景や事件、風俗にからめて若者意識に関わる変遷を論ずる社会学もどきという感じ。
    著者は、歯科医だという。歯医者でありながら、こういう分野について本を書くというのは、ちょっとびっくりする。よく近代の小説なんかを読んでいるようだ。

    ところで、終戦後、新制高校は原則として共学となったのだが、<span style='color:#ff0000;'>西日本ではわりあい速やかに共学化が進んだのに対し、東日本では、旧制高校が男子校、女学校が女子校というのがかなり長い間残っていた</span>らしい。京都あたりでは僕の親の世代もあんまり女学校という言い方はしないのに、サザエさんのフネさんが、女学校、女学校というのが、少し気になっていたのだが、このあたりが背景なのかもしれない。

  • 「今どきの若者は……」——なぜ私たちはこんなにも「世代論」を語るのか。大正青年から焼け跡、団塊、バブル、脱ゆとりまで、「世代」をとおして明治後期以降を通覧する画期的日本社会論。

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著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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