不機嫌のトリセツ (河出新書)

著者 :
  • 河出書房新社
3.43
  • (9)
  • (29)
  • (25)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 337
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309631301

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • p.108
    とっさに使う回路の初期設定が男女で違うのである。
    何かことが起こったとき、男性の多くは「遠くを見る」と「問題点を指摘する」を選び、女性の多くは「近くを見る」と「共感する」を選ぶ。
    なぜなら、動物は、脳が不安や危険などのストレスを感じた時、数ある脳神経回路の中から、「生存可能性を上げる」ものをとっさに使うように初期設定されているからだ。

    p.109
    ストレスの解消法も真逆。
    女性はおしゃべり。
    男性は沈黙。

    p.147
    この世には、「抽象化」を面白がる脳と、「具象化」を面白がる脳があるようである。
    真実が1つの方が気持ちいいという脳と、彩やバリエーションがあった方が嬉しいという脳と。

    p.186
    しあわせになる。この機能が人間だけにある限り、あらゆる知性で人工知能が人類を超えても、人類の存在意義は揺るがない。AIは、どんなに「頭」がよくてもしょせん、道具にしかすぎない。

  • 日本農業新聞 - 黒川伊保子さん(脳科学者・エッセイスト) 山の恵みで「母の味」再現
    https://www.agrinews.co.jp/p53317.html

  • 脳科学、人工知能研究者の著者による、脳の仕組みの視点からみる不機嫌の源となるものと、それを踏まえた日常生活で使える対応スキルについて書いてある本。
    普段新書はあまり読まないが、何となく興味が湧いて読んでみた。あーそうそう!と頷きながら、こうやって夫婦はすれ違ってイライラしてしまうのか、と納得。子どもに対しても、ついつい5W1Hで会話を始めてしまって小言っぽくなってしまうなぁと反省した。
    ただ、最後に「母の悲しみでしか伝えられないこと」というところで、これだけ「叱らずにほめる」「叱るときは冷静に」みたいな傾向が大きいこの時代に、こういう考え方もあっていいんだ、と思えて少し楽になった。そうだよね、何でもかんでもじゃないよね、と。

    色々な考えに触れることは、時々ハッとさせられて新たな視点を持てる。いい読書でした。

  • 思い を語る人には共感を、
    事実 を述べている人には問題解決を。

    ↑まさしく!
    これでいつも夫婦喧嘩になります。


    人間関係なんて、言葉ひとつでどうにでもなる。
    ことば一つで人生を拓くこともできるし
    ことば一つで人間関係を壊し、大切な人の
    心さえも壊してしまうこともある。
    大人は、他者のためにことばを紡ぐべきだ。
    自分の感情を垂れ流しにするのではなく。

    ↑肝に銘じたい


    AIはたいていの人間の想像力や読解力は
    軽々と超えてくる。
    が、しあわせになる機能は人間だけが
    もつ権利。

  • いかに機嫌よく暮らすか。がテーマの私にとってはこの不機嫌のトリセツ!!すごいやん!ってなって読み始めました。
    なるほどね…対話術から脳の違いまで納得です。
    肘を使う人と手首を使う人のくだりでは思わずペットボトルで飲む仕草をしてしまいました。
    めっちゃ、これからもココ注目してしまいそうです。

  • 『感想』
    〇まず、不機嫌について語っているわけではない。雑多な内容をまとめてある。

    〇日本語人の脳(自然界の音を、ことばと同じく、左脳で聴く)と英語人の脳では違いがあり、音声認識を母音でするか子音でするかが異なっているそうだ。だから日本人は英語で1語でまとめられていることを少しの状態変化で何語にも分けたりするのか。

    〇人の四肢コントロールには4タイプ(4スタンス理論)あり、タイプに合わせたひじの使い方をしないとうまく運動ができない。

  • タイトルに惑わされないで 読むといい。

  • 面白かった。男女の脳は違わない、という主張も理解できるけど、違いを認識してすれ違わないようにという筆者の主張は真っ当なものに感じる

  • 最初の方は夫婦のうんぬんばっかで、ああまたいつもの女性脳がどうとかこうとかで理解したれよ、みたいな本かって思ってたけど、後半はそうでもないとこもあって読めた。

    コロナ除菌地区みたいなのは不可能だと思う。
    そこで100%自給自足できるならいけるかもしれんが、地区を出入りする人が一人でもいる限り、誰かは感染するんじゃないかな。
    しらんけどー

  • 世の中の「不機嫌」について色々な視点から書かれていて、読んで良かったと感じた。
    なんか理不尽だよな〜と思っていたことが、あ、そういう仕組みだったのか!と思えたことで、そういう場面に出会ったとしても、ちょっぴり俯瞰的に見れそう。
    モヤモヤが溜まった時に、また読み返したい本。

    例えば夫との会話とか、、(笑)
    こういう違いがあったから私イラついてたのかとか。。
    ま、頭では分かってても実際寛容になれるか、実践できるかはまた別の問題だけどね(笑)

    英語を話す方と日本語を話す方では、脳の使い方が違うとか、新たに得られた知識もたくさんあった。

    子どもが反抗期の時期に入った時の会話例も勉強になった。

    そして、縄跳びのくだり。手首や肘のベストな使い方が人によって違うということ。いわゆる「コツ」というのは人によって違うということ。学校の体育とか大丈夫なん?と思ってしまった(笑)

    最後に、何よりもビックリしたのが、この新書の作者が自閉症の方だっということ。
    自閉症に対して本当に申し訳ないことに、偏見を持っていたのかもしれない。。
    本当に作者が言う通り、「感性のバリエーションは頼もしい」と思える自分になりたい。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒川伊保子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×