この国の戦争 : 太平洋戦争をどう読むか (河出新書)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309631509

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の語りを徹底的に懐疑する小説の持つ価値 | 読書 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
    https://toyokeizai.net/articles/-/606347

    この国の戦争 :奥泉 光,加藤 陽子 | 河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309631509/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆「物語」批判を手がかりに [評]成田龍一(日本女子大名誉教授)
      <書評>『この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか』奥泉光、加藤陽子 著:東京...
      ◆「物語」批判を手がかりに [評]成田龍一(日本女子大名誉教授)
      <書評>『この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか』奥泉光、加藤陽子 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/198365?rct=shohyo
      2022/08/29
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      “8月ジャーナリズム”と言われても…「分かりやすい物語」に抗して戦争を報じ続ける意味 | TBS NEWS DIG(2023年8月8日)
      h...
      “8月ジャーナリズム”と言われても…「分かりやすい物語」に抗して戦争を報じ続ける意味 | TBS NEWS DIG(2023年8月8日)
      https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/650623?display=1
      2023/08/17
  • 歴史を学ぶ意義を重く認識させてくれる名著 「歴史は『物語』として理解される」
    ここに歴史の面白さと同時に「怖さ」がある
    1.国家の統合 ①統治=政治 ②統帥=軍隊 明治は分立 民主国家は政治優位
     日本・ドイツは後発国、ゆえに政治の熟成を待てず、皇帝主導・軍優位の国家体制
    2.日本の稚拙な植民地経営
     朝鮮の創氏改名 「文化」最大の難問 ジリアン・テッドANTHROPOLOGY
     満洲の犠牲『物語』英霊20万人 戦費10億円 > サンクコスト経済合理性
     →満蒙は特殊権益 冷静な議論できず 石原莞爾「日本の生命線」=空論
      石橋湛山「植民地経営はペイしない」小日本主義・満洲放棄論
    3.対米開戦の意図 「長期持久戦もあり」→帝都空襲・ミッドウェー敗北で挫折
     米国 ソ連支援のための対日圧力 対独戦略の要
    4.最大の問題は「1944年6月サイパン陥落以降の戦争継続」止められなかった
     戦死者の圧倒的多数 しかも餓死者を多く
    ☆「戦争を止める」国家機能が働かないのが、日本の最大の問題
    5.負け方 戦艦大和の特攻 3,000人の若人を殺した 年寄りで出撃は?
    6.日本軍の組織論
     山本七平 組織の自転 員数主義 事大主義 前例主義 保守主義 形式主義
     司馬遷の国家観 皇帝への忖度無く、客観的な歴史叙述
     日本は「天皇の皇統に世界構想を見た」 

  • 小説家の奥泉さんと歴史学者の加藤さんの対談集。
    単一の物語に回収されないように歴史を語るべきとはポストモダン以来の歴史の見方だとは思うのだけれど、それをアジア・太平洋戦争に当てはめて語ってくれている。
    当初単なる軍人のモラルだった軍人勅諭が変質し政治に関わることの正当化に使われたところから、共通の思想的バックボーンがない日本という事情に気がついた新渡戸稲造が作った武士道の話、満州国・国連脱退はまだ相手側の顔を立てるつもりもあったなど、勉強になることは多い。
    その中でもやはり白眉は色々な小説に基づきながら、当時の状況を考える後半部。将校の目からだけでなく、一般兵の目からみた戦争をみることで、軍隊の評価も変わるということ。その意味で海軍が最も何のために戦っているか、なぜ死ぬのかがわからないのではないか。甲板にすら出られず船内でのみ働いていて、沈められてしまうのだから、、、。
    紹介された小説は読んでみたい。改めて複数の視点を持つことの重要性に気がつかされた。

  • 歴史は「物語」の形でしか語られ得ず、またそうならなければ人を動かす力を持ち得ない。多くの国々で、明白に贋物とわかる歴史の「物語」が流通する現状があるのも事実だ。

  • 歴史学者と歴史物語を批評的に読む小説家が対談という形で、太平洋戦争とは何か、なぜ始めたのか、なぜ止められなかったのかについて、太平洋戦争に関する書籍の紹介について語っている。当事者の日記やメモ、書簡、様々な書籍から太平洋戦争について詳細に解説されており、映画やドラマなどで流布している物語的な歴史とは異なる内容が知れて良かった。偏った主張はなくフラットに記載されており、ポツダム宣言についても様々な資料からそこに至る経過が示され、敗戦した日本だけでなく、戦勝国もその事実を知り互いに学ぶ必要があると思った。

  • 「物語なしに現実というまのを認識できない仕組みの中に生きている」
    戦争を正当化する「わかりやすい物語」が必要だったに納得。

  • 想定読者層はある程度の時代背景の知識画求められているのだろう。手とり足取り噛み砕いて話をしてくれる訳ではないが、明確かつ端的なやり取りは腹落ちもいい。
    歴史を単層的かつ都合よく物語化することの危険性は、まさにその通りだと思う。日本だけではなく世界中で同じような傾向が発生しているように感じている。とても怖い。

  • 2022年7月28日(木)19:00〜
    紀伊國屋書店新宿本店・オンライン:Zoom配信
    奥泉光・加藤陽子『この国の戦争』(河出新書)刊行記念トーク「日本人と戦争」再考
    第3部 太平洋戦争を「読む」 追加図書
    奥泉光:神子清『われレイテに死せず』,梅崎春生『桜島』,小松真一『虜人日記』
    加藤陽子:高橋源一郎『ぼくらの戦争なんだぜ』朝日新書
    (p196「小鳥」),東浩紀編『日本:小松左京セレクション1』「地には平和を」,沢地久枝『滄海よ眠れ : ミッドウェー海戦の生と死』

  • 小実生さんが出てくるとは思わなんだ。他にも読んでみたい本が結構出てきたので、積読生活が続く…

  • 2023年、43冊目です。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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