- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784313752085
感想・レビュー・書評
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落語には詳しくない私にとって、多くの落語家の名前が次々に出てきて頭が少し混乱する。それでも読んでいて楽しい。大正時代の、貧しいけれども落語が大好きでたまらない多くの落語家たちの生活が、身近に感じられる。当上巻は、志ん生五代目が20歳、明治48年の芸名「朝太」時代から、大正15年芸名「柳家東三楼」の時代の物語。結城昌治の文章はわかり易く読みやすい。志ん生の自伝が元になっているらしいが、精緻に整理された内容になっている。
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五代目志ん生の人生を描いた小説
志ん生の自伝がベース、テレビドラマ「おりんさん」の原作
「おりんさん」では志ん生の妻おりんを孫の池波志乃が演じていた -
『大名人・志ん生の鮮やかな軌跡』
天衣無縫、融通無碍、自由闊達。
これら四字熟語は志ん生にこそ相応しい。
だが、そんな志ん生が売れだしたのは50歳近くからであって、
40歳過ぎまでは無名の噺家だった。
この不世出の天才落語家が、
厄年手前までは家賃も払えない貧乏神で、
醤油の量売りや保険の勧誘を試していたことに驚く。
いいかげんでぞろっぺいな志ん生が保険の勧誘なんて無理に決まっているのだ。
そんな志ん生も、落語にだけは生涯通して真摯に向き合ったことが
この本からはひしひしと伝わってくる。
借金から逃げ回ったり、寄席から離れてどん底生活を送ったりと、
うまくいかない日々がほとんどの生涯だが、
読後感は瑞々しい青春小説を読んだときのようだ。
ただ、藝の追求を一心に駆け抜けた志ん生の、
鮮やかな軌跡がそこにはあるからだろう。 -
古今亭志ん生の生涯を描いた伝記的小説。
ともかくその破天荒な生き方が魅力的。美濃部一家のやりとりもまたおもしろく悲しい。 -
20090423 浦安中央図書館 【借入】
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去年読んだ(2006年)
海外に出かけるときに持っていった一冊。