認知言語学のための14章 第三版

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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314010320

作品紹介・あらすじ

本書は、認知科学の諸分野において明らかにされた「カテゴリー化」に関する知見、とりわけプロトタイプ理論を言語分析に取り入れた認知言語学の概説書…メタファー、メトニミー、スキーマ、フレーム、スクリプト、認知モデル、領域、図と地、輪郭づけ、ランドマーク、トランジェクター、動機づけなど、従来の言語学にはあまり見られない概念が使用されている。…認知言語学は、このような認知一般とのインターフェイスに関わる概念とも深く関わりを持ちながら理論的整備が遂行されている点に特徴がある。

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳者を4名に補強も、新訳も残念無念。p.71「刃と柄がつていて」、p.241「予測するする原理的方法」、p.271「指小辞が助成を表す」、p.332またもや「直接法」など、初歩的ミスは減ったもののまだまだあり。致命的ミス:p.32「greyに対する語を持たないツォンガ語」、p.257「これらは、すべて動詞open」の直前訳出忘れ。p. 343「代名詞所有構文」。pronominalではなくprenominalなのだが(涙)。p.407「子どもはグラスの横に」。inside the glassですよ!

  • 原題:Linguistic Categorization: Prototypes in Linguistic Theory (3rd edition; 2004)
    著者:John R. Taylor
    訳者:辻幸夫
    訳者:鍋島弘治朗
    訳者:篠原俊吾
    訳者:菅井三実

    【目次】
    1章 色彩のカテゴリー化 
    1.1 なぜ色彩用語なのか  
    1.2 恣意性        
    1.3 もう1つのアプローチ: 焦点色  
    1.4 自律的言語学と認知言語学  

    2章 カテゴリー化に対する古典的アプローチ 
    2.1 アリストテレス   
    2.2 言語学における古典的アプローチ: 音韻論  
    2.3 意味論における古典的アプローチ   
    2.4 古典的理論の問題点   

    3章 プロトタイプ・カテゴリー: I 
    3.1 ウィトゲンシュタイン  
    3.2 プロトタイプ: 古典的理論への代案 
    3.3 基本レベル語     
    3.4 プロトタイプと基本レベル 
    3.5 プロトタイプの起源    
    3.6 応用事例  

    4章 プロトタイプ・カテゴリー: II 
    4.1 プロトタイプの例  
    4.2 プロトタイプとスキーマ  
    4.3 民俗カテゴリーと専門家カテゴリー 
    4.4 ヘッジ表現   

    5章 言語的知識と百科事典的知識 
    5.1 辞書と百科事典 
    5.2 領域とスキーマ  
    5.3 フレームとスクリプト  
    5.4 視点投射  
    5.5 名詞語句理解におけるフレームとスクリプト
    5.6 偽物  
    5.7 本物    

    6章 多義性と意味連鎖 
    6.1 単義的カテゴリーと多義的カテゴリー   
    6.2 climbの事例研究  
    6.3 over  
    6.4 残された課題  

    7章 カテゴリーの拡張: メトニミーとメタファー
    7.1 メトニミー 
    7.2 メタファー 

    8章 多義性:語は実際いくつの意味をもつか 
    8.1 多義性と合成性 
    8.2 二段階アプローチ 
    8.3 2つの事例研究:inとround 
    8.4 多義性とネットワーク・モデル 

    9章 形態論と統語論における多義的カテゴリー
    9.1 格   
    9.2 指小辞  
    9.3 過去時制 
    9.4 Yes-No疑問文    

    10章 イントネーションの多義的カテゴリー  
    10.1 イントネーションによって表わされる意味の問題 
    10.2 下降調と上昇調の意味  
    10.3 高位基調   

    11章 文法カテゴリー 
    11.1 語, 接辞, 接語 
    11.2 文法カテゴリー  
    11.3 文法カテゴリーの意味論的基盤    

    12章 プロトタイプ・カテゴリーとしての統語構造 
    12.1 構文の必要性 
    12.2 構文文法の要素 
    12.3 代名詞所有構文 
    12.4 他動詞構文 
    12.5 他動詞構文:周辺的な成員 
    12.6 メタファーによる統語構造の拡張 
    12.7 ドイツ語との比較 
    12.8 結語 

    13章 音韻論におけるプロトタイプ・カテゴリー 
    13.1 音素カテゴリー 
    13.2 音韻素性の段階性 
    13.3 音節構造 

    14章 カテゴリーの獲得 
    14.1 獲得経路の仮説 
    14.2 文法カテゴリーと構文  
    14.3 概念の発達  
    14.4 語の意味 

    参考文献
    索引

  • 一応、6章以降は、目を通した。
    第三版で、8章が新しく書かれたそうだ。それまでの8章は各章に分けて入れられたとか。最新の知見を書き足されているらしいので、第三版。

    語の意味をプロトタイプによって規定しようという研究者による、認知言語学の教科書である。
    語の意味とか、文法の意味とか、そういうことを研究し、議論するのが認知言語学なんだなぁって思った。教科書にすることを前提に書かれていないので、この本が偏っているだけなのかもしれないが。

    論文の引用がたくさんあるので、使い勝手がよい。

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