- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323064086
作品紹介・あらすじ
2巻『引き揚げの悲劇』
1.フイチン再見! 村上もとか
2.家路 1945?2003 ちばてつや
3.幻の子どもたち 石坂 啓
4.赤いリュックサック 巴 里夫
5.『人間交差点』より海峡 弘兼憲史/原作・矢島正雄
6.『凍りの掌 シベリア抑留記』より出征 おざわゆき
7.『二世部隊物語 最前線』より流血の丘 望月三起也
感想・レビュー・書評
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戦争、引き揚げをテーマにしたコンピレーション。
『家路』 ちばてつや
TVでちばてつやが最近かいた漫画で、第二次世界大戦終戦後に満州から引き揚げしてくるものが有ることを知って、読んでみました。
80才を超えても元気で明るいちばてつや。
小さいころに満州で終戦を迎え過酷な環境で帰ってきたことを知った。
やさしい、あたたかいタッチで淡々と描かれることで、逆に厳しさがリアルに感じられる。
敵地に取り残されて、憎悪の的になることの恐怖。
『赤いリュックサック』 巴里夫
1972年リボン 掲載
ある意味昔の少女マンガ、分かりやすい悪者がいて、いじめられる主人公というテイスト。
自殺してしまうまで追い込まれる主人公が気の毒。
絶望の中、自殺しないでいられるように周りがサポートできる社会をつくらないと。と思わされる。教訓的な漫画。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漫画家七人が戦争を知らない子供たちに向けて、戦争の悲劇を描いた作品集です。本編は「引き揚げの悲劇」を主題に、戦争中に日本以外の土地で暮らしていた日本人、特に一般の人たちが戦争と敗戦でどれほどの苦難を強いられたのか、日本への引き揚げの途上で命を落としたり、捕虜となり収容所に入れられたり、外地に取り残された人が数多くいたという不条理な歴史の事実を丹念に描写されており、その衝撃の大きさに胸が痛んでやみません。
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滞在先のホテルで漫画家たちによる引き揚げの絵本があり、それを調べていたら行き着いた漫画。
子供も夫も読んでいた。
この年になると逆に読むのがつらい。
ちょっと長い距離を子供たちがぶーぶー文句を言ったりぐずったりすると、このやわが、これが戦争なら死ぬぞ、と思ったりするなど。 -
”外地”で迎えた終戦。ソ連は停戦に応じない。加えて現地人が略奪に来る。武装解除。抵抗する術はない。引き揚げは過酷を極める。襲いくる暴徒。灼熱の昼。凍てつく夜。病。倒れた者は捨て行くしかない。子どもを残して発つ親。自決を決める集団。子供を先に逝かせて自分は死に切れぬ母。地獄を見る。…二度と戦争を起こさぬと決めた日本。しかし、その思いは世界に及ばない。朝鮮、中東、アフガン、カンボジア、ソマリア、ルワンダ…。日本の戦後に起きた戦争は数知れない。ウクライナにミャンマー。今も地球のどこかで同じ悲劇が繰り返されている
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編者は、JINの作者とは!このような作品を集めてくれた事に感謝。戦争の悲惨さを教えてくれる貴重なものだと思う。現代日本の平和で穏やかな毎日に感謝
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皆が本土に「帰る」と言う。外地で生まれたものもいるのに、帰る家・頼る親戚がないものも多いのに。(本書にはないが)赤塚不二夫のときに残虐、アナーキー、なギャグは「妹の粉ミルクまで取り上げられて妹は死んだ」情念のマグマが噴出するのかもしれない/開拓団は勤労で財を築いた。「みなさんが多くのものを持っていると民衆はそれをほしがります。どうか理解して物資を手放してください。そうすれば襲撃はなくなります」「畑も家ももとは現地人のものです」嘘。「武器や金を隠し持っていたからあんなひどい目にあった」命の保証を手放せるか!
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戦争なんてやだ!
<収録作品>
フイチン再見!/村上もとか
家路 1945~2003/ちばてつや
幻の子どもたち/石坂啓
赤いリュックサック/巴里夫
海峡(『人間交差点』)/矢島正雄・原作 弘兼憲史・画
出征(『凍りの掌 シベリア抑留記』)/おざわゆき
流血の丘(『二世部隊物語 最前線』)/望月三紀也