- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323075419
感想・レビュー・書評
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ケニアにルーツをもつ少女。前半は学校での暮らしなど、後半はとあるきっかけから自身のルーツを探る旅へ。なかなか骨太な作品。
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これはまた気合の入った作だ。今の子供たちは(大人もかも)人種差別が決定的に悪いことだという認識はあるが真に理解できているかには課題があり、みたいな前半の展開はきわめて現代的だし己のルーツをたどる後半の旅のスケールと解放感は爽快でした。ちょうど半分で転換するのか。
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おばあちゃんと私のケニア旅行。
素敵な意味ある旅になりましたね。お父さんとも会えて、本当に良かった。よく、駅伝に外国の選手が、出場するけど、走れなくなると、残念な結末。それだけは、やめて!しっかり、サポートして欲しいと思った。 -
ケニア人の父と日本人の母のあいだに生まれた5年生の少女リイマ
母がやさしい日本人のシンちゃんと再婚し、新しい家族の喜びにひたっていたが……
同居することになった祖母とは打ち解けず
スポーツテストで好成績をあげると「黒人だから速いだけだ」と毒づかれ
いとこになった女の子には「真っ黒できみ悪い」と言われてしまう
日本人とは何か、自分はほんとうに日本人なのか、偏見とは、人種差別とは──思い悩むリイマを祖母がケニア旅行にさそう
自分のルーツの国をおとずれたリイマは、さまざまな人と出会い、たくさんのものを見聞きし、経験し、大切なことに気づいていく
『神隠しの教室』(童心社、2017年)で第55回野間児童文芸賞(2017年度)、『マスク越しのおはよう』(講談社、2022年)で第63回日本児童文学者協会賞(2023年度)を受賞した山本悦子が放つ意欲作、2023年11月刊
〈わたしは、リイマ。〉
そう言い切るように遠くを見つめるリイマを佐藤真紀子が力強く描き出す
日本生まれ、日本育ち、日本語オンリーのミックスルーツの子がどこの教室にもあたりまえにいるようになった時代に、答えを教えてくれるわけではないけれど、考える材料をたくさん与えてくれる好著
〈だいたい、日本人ってなんなんだろう。先祖代々日本人。百パーセント日本人の血でないと日本人じゃないの? そんなリイマの不満と疑問についていっしょに考えてくれたらいいなと思います。〉──帯の著者メッセージ
ミックスルーツの子の視点で書かれた、これまであまりなかった物語 -
帯には「『先生、わたし、日本人です』ケニア人の父と日本人の母の間に生まれたリイマ。差別とは何か?無意識の偏見とは?小学5年生の少女が自らのルーツをたどる」とある。
リイマは、顔が白くなりたい。くるくるしてる髪をストレートしたい。
背が高い。
目立つ。ナニジン?って訊かれる。
リイマはことわざ検定七級で、漢字検定6級を、持っていて日本語しか話せない日本人なのに。
お母さんは、お父さんと離婚して、リイマと二人の弟を育てていたシングルマザーだが、シンちゃんと結婚するのとに。新しいお父さんとそのお母さん(おばあちゃん)と皆んなで暮らす。おばあちゃんは、リイマを見るたびに驚いたような顔をする。そんなおばあちゃんと、リイマは二人でアフリカ旅行に出かける。
リイマの気持ちが生き生きと描かれていて、たとえ読み手にリイマのような属性がなくとも、何かしら自分の生活の中でも同じような事があると共感しながら読み進めることができるだろう。
血が繋がっていなくても家族になれるんだな。