文化のフェティシズム

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326151349

感想・レビュー・書評

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  • 私は哲学や倫理などの学者をあまり知らないので、彼らの名前を聞いてもどんな思想家なのかはわからないけれど、言葉によって、言葉を使うことで、人間の活動は自然から文化へと変遷されていった、それに伴いすべての倒錯が始まっていった

  • 読了

  • 世界的なソシュール学者の代表的な記号論。
    それでいてソシュールを乗り越えようとする意欲作。

  • 言葉の獲得が人間を自然から分離させ、文化という共同幻想を作り出した。
    しかし、共同幻想としての文化は、倒錯したものだった。(吉本隆明はこれを<逆立>と表現している)
    優秀なフランス語教師がソシュールを研究することで、哲学者に変貌していった。
    本書は丸山言語学•丸山哲学と呼ばれる思想のスタートを示す代表作だ。

    ソシュールが明らかにしたのは、文化現象一切は、表象によって二次的に生み出された共同幻想の世界で、その表象すらも関係の網の目に過ぎない、ということだ。(当時の廣松渉理論を彷彿とさせる)
    それを踏まえて本書では、人間文化の病因の診断に取り組む。それが<文化のフェティシズム>の解明ということだ。
    過剰としてのシンボル化能力がもたらすもの。

    文化のフェティシズムは、ヒトがシンボル化能力を持つと同時に出現した。
    文化のフェティシズムの中でも最も危険なものと見做されるのが、科学のフェティシズムだ。
    何故ならそれは人間も自然も圧殺するからだ。

    彼がソシュールの研究に勤しんでいた頃、彼にフランス語を学んでいた。第三外国語としてフランス語を選択したのだ。(第二外国語はドイツ語)
    丸山のテキストは、非常に良く出来たものだった。マルタン家を舞台とする実用的な会話を教えてくれるのだ。
    「サヨナラ」を表す「アデュー」(adieu)が、「オールヴォワー」(au revoir )と違って、もう二度と会わないときに使う、「永遠のサヨナラ」を表すことを教わった。
    テキストは、しつこい男に「アデュー!」と言って別れる女性が登場していた。
    気がつけば、フランス語が。。。話せる訳はなかったが、楽しい授業だった。

    そのすぐ直後から本書を始め、あれよあれよという間に本格的な哲学者となり、有名になっていった。
    その哲学者にフランス語を学んだらということが良き思い出だ。

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