医療現場に臨む哲学

著者 :
  • 勁草書房
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326153244

感想・レビュー・書評

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  • ※アマゾンより引用
    本書は医師や看護婦やメディカル・ソーシャル・ワーカーが患者に向かう際の視点に立って書かれている。そうした視点に立って現場を把握し、「医療とは何か」、「医療の専門家は患者にどのように向かうべきか」といったことを根本的に考えることは、医療実践の専門家にとっては当然のことながら、医療について考えようとする者すべてにとっても少なくとも一旦はすべきことであろう。したがって本書は、医療の専門家ばかりでなく、医療について考えようとしているより広い範囲の方たちを、読者として想定している。

  • ウィリアム・オッカムを中心に、西洋中世哲学を研究している著者が、医療の現場にたずさわっている人びとが直面している問題について考察をおこなっている本です。

    著者は、特定の原理をもちこんで一方的に問題の解法を教え諭すのではなく、現場の実践家に付き添い彼らのしていることをことばによって「記述」することで、問題を分析し、整理することが、「言葉の専門家」としての哲学者になしうることだと主張します。

    本書ではこのような立場から、QOLやインフォームド・コンセント、ターミナル・ケアなど、生命倫理の重要な問題をていねいに腑分けし分析しています。明示的には書かれていませんが、現代哲学における行為論が、著者の分析の枠組みになっています。

    倫理を、医療行為に対する横からのチェック・ポイントとしてではなく、医療行為をとして患者の人生のチャンスを広げ、医療行為において患者の人生のチャンスを支援することから当然帰結するべきはずのものとしてとらえる本書の視点が、とりわけ興味深く感じました。

  • 医療現場になぜ哲学を持ち込んだのか、持ち込むのか。哲学が実践的でなかったら意味がない。さて、清水さんは今後、臨床の場で哲学を用いて、どんな「世界」でも「解釈」でもいいのだけれど、見せてくれるのでしょうか。
    まずは、清水さんの授業を受けに行きます。

  • 図書館 借
    ちょっと私には難しかった…?

  • てst

  • 11/06/04。清水さんの本を読みたくて。で、やっぱこの本かなと。

  • 「患者の家族」という立場の哲学者センセーが書いた本。専門は、中世哲学、言語と論理の哲学だそうです。
    この本の最大のポイントは、昨今の日本では言葉の厳密な定義もわからないまま、あいまいな理解のまま「安楽死」という言葉が使われていたのですが、それをしっかり定義している(定義・分類の仕方、範囲には異論もあるだろうけど)ということ。結局今自分はどんな事象について考えているのかということをはっきりさせてくれる本。

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著者プロフィール

岩手保健医療大学臨床倫理研究センター長、東北大学名誉教授

「2022年 『臨床倫理の考え方と実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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