アマルティア・セン回顧録 上: インドでの経験と経済学への目覚め

  • 勁草書房
3.75
  • (1)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 75
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326550890

作品紹介・あらすじ

最高の知性はいかに生まれたのか? ベンガル大飢饉や激しい宗教対立など、原点となる少年時代の体験から経済学に出会うまでを語る。

1933年、ダッカに生れたアマルティアは、タゴールが創設した学校で学び、ベンガル大飢饉を目の当たりにし、ムスリムとヒンドゥーの過酷な宗教対立に衝撃を受ける。後にノーベル経済学賞を受賞する少年は、イギリスから独立していく激動のインドで何を感じたのか? 経済学に目覚めるまでを独特のユーモアを交えて振り返る。
【原著】Amartya Sen, Home in the World: A Memoir(Penguin Press, 2021)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • インド人で経済学者の人がどういうことを考えているのか覗くために一読した。

    一番感じたのは家庭環境が一般とは違う。親戚に学者、政治家、文学者などを持ち、政治、経済、文化などについて闊達に議論するのが日常。さらに、その環境で育った結果としてインドの中でも有数の中高や大学に進学し、そこでますます知性に磨きがかけられる。ノーベル賞とかを取る人は与えられた環境が違うんだなと思った。

    インド、ベンガルの社会、文化、宗教、経済についてかなり主観は入ってそうだが詳細に書かれており、当時のベンガル地方について想像が膨らんで面白かった。ただ、読むのに時間がかかり大変なのでとりあえず下巻はいいかな。

  • 【書誌情報】
    [上]『アマルティア・セン回顧録 上 インドでの経験と経済学への目覚め』
    [下]『アマルティア・セン回顧録 下 イギリスへ、そして経済学の革新へ』
    原題:Amartya Sen, Home in the World: A Memoir (Penguin Press, 2021)
    著者:アマルティア・セン
    訳者:東郷えりか
    ジャンル 哲学・思想・倫理、経済
    出版年月 2022年12月
    [上]ISBN:978-4-326-55089-0
    [下]ISBN:978-4-326-55090-6
    判型4-6
    [上]292
    [下]288
    定価:2,970円(税込)

    ◆内容の紹介
    [上]1933年、ダッカに生れたアマルティアは、タゴールが創設した学校で学び、ベンガル大飢饉を目の当たりにし、ムスリムとヒンドゥーの過酷な宗教対立に衝撃を受ける。後にノーベル経済学賞を受賞する少年は、イギリスから独立していく激動のインドで何を感じたのか? 経済学に目覚めるまでを独特のユーモアを交えて振り返る。
    [下]1953年、青年アマルティアはインドの宗主国であったイギリスに留学し、数十年後に学寮長として戻ってくることになるケンブリッジ大学に初めて足を踏み入れる。そうそうたる知識人に囲まれながら、貧困や不平等への関心をもとに厚生経済学を切り開き、インドの若者に希望を見出すまでの人生を珠玉のエピソードを交えて回想する。
    https://www.keisoshobo.co.jp/book/b616925.html
    https://www.keisoshobo.co.jp/book/b616926.html

    【目次[上]】
    謝辞
    サンスクリットの言葉の綴りに関する注記
    はじめに

    第Ⅰ部
     第1章 ダッカとマンダレー
     第2章 ベンガルの川
     第3章 壁のない学校
     第4章 祖父母とともに
     第5章 議論の世界
     第6章 過去の存在

    第Ⅱ部
     第7章 最後のベンガル飢饉
     第8章 バングラデシュの構想とベンガル
     第9章 抵抗と分断
     第10章 イギリスとインド

    第Ⅲ部
     第11章 カルカッタの都会生活
     第12章 カレッジ・ストリート

    原注
    著者・訳者紹介

    【目次[下]】
    第Ⅲ部(承前)
     第13章 マルクスをどう考えるか
     第14章 若き日々の闘い
     第15章 イギリスへ

    第Ⅳ部
     第16章 トリニティの門
     第17章 友人と交友関係
     第18章 何の経済学か?
     第19章 ヨーロッパはどこか?
     第20章 語り合いと政治
     第21章 ケンブリッジとカルカッタのあいだで
     第22章 ドッブ、スラッファ、ロバートソン
     第23章 アメリカでの出会い
     第24章 ケンブリッジ再考

    第Ⅴ部
     第25章 説得と協力
     第26章 近くに、遠くに

    訳者あとがき
    原注
    事項索引
    人名索引
    著者・訳者紹介

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1933年、インドのベンガル州シャンティニケタンに生まれる。カルカッタのプレジデンシー・カレッジからケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに進み、1959年に経済学博士号を取得。デリー・スクール・オブ・エコノミクス、オックスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、ハーバード大学などで教鞭をとり、1998年から2004年にかけて、トリニティ・カレッジの学寮長を務める。1998年には、厚生経済学と社会的選択の理論への多大な貢献によってノーベル経済学賞を受賞。2004年以降、ハーバード大学教授。主な邦訳書に、『福祉の経済学』(岩波書店、1988年)、『貧困と飢饉』(岩波書店、2000年)、『不平等の経済学』(東洋経済新報社、2000年)、『議論好きなインド人』(明石書店、2008年)、『正義のアイデア』(明石書店、2011年)、『アイデンティティと暴力』(勁草書房、2011年)などがある。

「2015年 『開発なき成長の限界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アマルティア・センの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×