空のプロの仕事術 - チームで守る航空の安全 (交通新聞社新書077)
- 交通新聞社 (2015年2月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784330539157
感想・レビュー・書評
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オペレーションに関しては「軍事」「医療」「航空」の現場に携わった方の知恵が一番信頼できる。これらに共通しているのは「失敗したら命が失われる」現場であるということである。
さらに「航空」については、30年前に読んだ『大空港25時(鎌田 慧著)』以来、心を引きつけられる分野でもある。
今回、偶然かつ何気なく本棚からとってみたが、以前読んだ「機長の『失敗学』」を著した方と知ったのは最後の著者紹介のところであった。
本の中身についても、いろいろな事故からの教訓、および提言に飛んでおり、非常に興味深く参考にさせられたところも多い。
特に印象に残ったのは、最後の章のエピソードである「著者が副操縦士であった時に、機長の意に反してコントロール権を握った」ところである。
いざというときに、その後の人間関係や昇進などといった雑念に惑わされることなく与えられた職責を全うできるか、というのは、まさしく普段から「何を優先させなければならないか(この場合は乗客の安全)」といったことを信念として持っていたからに他ならないからであろう。
日々のオペレーションに携わる人や、信念を持って仕事をしたい人、また、単に航空業界に興味がある人にもお勧めしたい。 -
2014年のマレーシア機撃墜事故にも言及しており、新しい事象も網羅している。
国際線の操縦士は昔から英語の資格が必要だと思っていたけど、2008年から必要(航空英語能力証明)になったとのこと。
また、政府専用機をB747-400(4発機)からB777-300ER(2発機)に変更することはいかがなものか、といったコラムはなるほどそういう考えもあるな、と納得。