人生で大切なことはすべてヘッセが教えてくれた

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  • 佼成出版社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784333025435

作品紹介・あらすじ

自由に、そしてシンプルに生きるための知恵を贈ります。ヘルマン・ヘッセ珠玉の名言集。

感想・レビュー・書評

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  • ★「ほどよい楽しみは倍の楽しみ。小さな楽しみを見過ごすな!」
    →余暇の行楽や娯楽でも、『できるだけ多く、できるだけ早く』というのが合言葉になっています。
    その結果、ただの気晴らしばかりがふえて、ほんとうの楽しみは減る一方になってしまいました。
    時間の不足と、意欲の欠乏に悩まされているあらゆる人に、私が勧めたいと思うことは、毎日できるかぎり多くのささやかなよろこびを味わって、かなり大がかりな、私たちを疲れさせるような娯楽は、休日や暇のあるときにとっておいて、小分けにして味わうことです。私たちの健康の回復や、日時の重荷からのストレス解消のためには、大がかりな娯楽ではなくて、ささやかな楽しみがよいのです。
    ささやかな楽しみのうちの最高のものは、自然と接触すること。

    ★若い人には「情熱」がよく似合うが、老年には「微笑むこと」「深刻に考えないこと」が、はるかによく似合っている。

    ★青年にとって必要なことは、自分自身を真剣に考えることができることである。
    老年に必要なことは自分自身を犠牲にできることである。

    成熟した人間の使命は、自我の放棄。
    そもそも自我の放棄ができるためには、青年期に自我の獲得、つまり独自の個性(自己)を完成するための苦悩を切り抜けて、成熟した人格を獲得し、一人前の人間になっていなくてはなりません。

    ★読書は自由である
    私たちが必ず読んでおかなければならない、それを読まなければ幸福にもなれない、人間形成もできないというような本のリストなどは存在しないのである!
    けれども各個人にとって、まさにその人自身が読んで満足と楽しみを味わうことのできる書物はかなりたくさんある。このような書物を徐々に見つけ出して、持続的なつきあいをはじめ、できることならそれらをしだいに永続的に外面的にも内面的にも自分の所有物として獲得すること、それは各人自身の個人的な任務である。

    しかし、どのようにして本の山の中から、自分にとってとくに価値があって愛することのできる作品を見つけ出したらよいのか?

    自分の読むものを自主的で個人的な趣味と欲求に従って選ぶことがぜひ必要である。
    読書においては、とにかく読者が世間一般の評価と同じ評価をすることが重要なのではなくて、読んで楽しみ、自分の心の財産にもう一つの新しい、大切な財産をつけ加えるということが徹頭徹尾重要なのではないだろうか!

    三人か四人の一流の作家の作品を完全に、そしてくりかえし読んだ者は、次から次へと好奇心に駆られてあらゆる時代と国々の文学作品の抜粋と断片を多量に飲み込んだ読者よりも豊かなのであり、はるかに多くのことを学んだのである。

    できるだけ多くの本を読んで知っていることが重要なのではなく、私たちが自由に、自分の好みで選んだ作品を暇なときに熱心に読み、人間が考えたことを、追求して得たものの広大さと豊かさについて漠然とではあるが知ること、そして人類全体との、人類の歴史と文化的存在との実り多い心のつながりを獲得することが重要でなくてはならない。
    このことこそ、結局生きるということすべての意義である。
    第一級の思想家あるいは詩人の作品の一つひとつを心をこめて読みながら理解することは、私たちを満足させ、幸せにする体験である。
    読者は、決して私たちにとって気晴らしをすることであってはならず、むしろ精神集中を必要とする行為であり、私たちの生活により高く、より充実した意味を与える助けとなってくれるものでなければならない。
    重要なのは、とりわけ読者が自分自身を知ること、それとともにまた、自分にとくに感銘を与える作品を知ることであって、何らかの基準あるいは教養の計画などに従わないこと。
    読者は、本に対する愛の道を行くべきであって、義務の道を行くべきではない。
    誰でも各自の性質にふさわしい作品でまず読むこと、知ること、愛することをはじめなくてはならない。
    「傑作」とは、何らかの基準によって選ばれたものではなく、読者自身が感銘を受ける作品のこと。
    ある傑作が非常に有名であり、それをまだ知らないのは恥ずかしいからというだけで、それを無理に読むのは、大変な間違いである。

  • 軽い内容ですぐに読める。
    ヘッセは青春小説を中心に読んでいたので、自分が年老いたときに読みたいと思うような本がたくさんあると知るとても良い機会になった。

  • ニーチェを砕いたような本。流し読み

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著者プロフィール

岡田 朝雄(おかだ あさお)
ドイツ文学者。昭和10年(1935)東京生。
中央大学大学院修士課程修了。
東洋大学名誉教授。
日本蝶類学会会員(前理事)、日本昆虫協会前副会長、日本文藝家協会会員。
著書に『ドイツ文学案内増補改訂版』(共著)、
訳書にヘルマン・ヘッセ『庭仕事の愉しみ』など多数。

「2022年 『スリナム産昆虫変態図譜1726年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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