構図がわかれば絵画がわかる (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037123

作品紹介・あらすじ

ムンクの『叫び』は、画面全体が叫んでいる!時を超え、美を生む構図にせまる。

感想・レビュー・書評

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  • 1023

    しかし、だからといって、本物を見た直後の、複製画との「落差」を忘れてはなりません。絵は、本物を見る以外に、意味はない。そういう、実体験が持っている意味を忘れたら、美術の大切な何かを見落としてしまうからです。  超一流の名画の、精巧な複製よりも、二流の現物のほうが、はるかに素晴らしい。美術とは、そういう「モノ」であることを忘れてはいけません。絵は、モノなのです。物質なの



    白と黒は、色彩の極限でもあります。全ての絵具を混ぜると、黒に近づくといわれます。また全ての色の光を混ぜると、白く、透明になるといわれます。白と黒は、色の、モノと光の、極限なの



    白と黒があります。宇宙の極限の姿も、白と黒なのかもしれません。絵画における「白と黒」は、そんな宇宙の縮図でもあるのではないでしょう



    構図は、宇宙を要約したもの


    王羲之 の書の『 蘭亭序』



    絵画というのは、そういう構図のセンスを、形にしたものです。  人は、どのような構図に、喜びと幸せと心地よさと、「絶対」のセンスを感じるのか。絵画は、ずっとそんな構図のセンスを探究してきたの

  • 2022.12.10 新しい知見が加わった感じ。構図で見るとはわかりやすい。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99430394

  • 絵の見方が分からなかったので、美術について何か新しい発見があるかもと思い読んでみた。

    美術のことが好きな物知りなおじさんの話を聞いてる感じだった。よく分からないところもあったけど、筆者が楽しそうに語る様子が思い浮かぶ。話がよく脱線するところも、興味のある分野を熱く語る人らしくておもしろかった。

    絵の見方が分かったかどうかは分からないけど、美術館に行ってみたいなぁと思った。あと、もっと美術について色々学びたい!

  • 「美術の見方を,身につけたい。いったい,何を学んだら,美術はわかるのか。大学を卒業した私は,美術史の研究には進まず,他の分野から美術の核心に迫る道を歩み始めた。美術史とは別の方法で,「美術の理論」をかたちにしたい。そう考えながら。ともあれ,あれから30年。いま,こんな本がある。」(おわりに より)

    美術について構図から見てみようといった感じの本。ところどころ著者のこだわりがみられる,特に仏像と美術解剖学についての掘り下げが深い(この辺は養老孟司に師事した影響が強いのだろう)。

  • 絵画において構図はかなり重要な要素を占めている。しかしながらその構成要素を理解してその観点から見るということはなかったので今後活用したい知識。
    垂直線、水平線、対角線、円や三角形といった形などの平面的要素、一点から三点まである遠近法、二から四次元などの奥行き、光と色、人体や解剖学。構図に直接的に関係しない仏教美術に関する知識は、それをここに入れることが本としての構図として見本を示しているとのこと。

  • 布施英利氏の著作をチェック

  • 最初にフェルメールの「デルフトの眺望」が示される。しかしどこか変、凡庸な風景画で締まりがない。なぜだろう?実は画像処理で、手前に立つ人物を消していたのだ。この小さい黒い「点」が絶妙の構図をもたらしている。そんな興味深い例からこの本は始まる。

    何をもって絵の構成やバランスがよいと感じるのか。意識せずに見ていた絵画の要素、構図と言う「文法」、それによる効果を、名画を例にとって解説する。

    「点と線」(水平・垂直、対角線)や「形」(三角形、円)がつくる「平面」、「空間」(各種遠近法)や「次元」(二次元、三次元、動きの表現)がつくる「奥行き」、「光」と「色」がつくる「光」。構図をつくりだす絵画の要素を解説する。この本を読むことで、絵を観る時の新たな視線が加わる。

    後半は「人体」。西洋美術における人体、そしてアジアの仏像に見る人体表現。仏像の始まりについても説明がある。最後は著者の専門の美術解剖学の話に。外からではなく中から、つまり人体の骨格から、人体の表現を解説する。

  • なるほど~、そういう見方をするのかー、という目からうろこがちらほら。やはり芸術とかスポーツとか、知識の有無で楽しめる幅がずいぶん違ってくるね。

    ま、ただ最後の方の仏像の話は蛇足だったような。。。

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著者プロフィール

解剖学者・美術批評家

「2021年 『養老孟司入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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