「マニュアル」をナメるな! 職場のミスの本当の原因 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044312

感想・レビュー・書評

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  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB28877654

  • マニュアル作りについて説いた本ではあるが、業務自体の洗練にもつながるアドバイスが満載。ある程度決まった作業があるような職場で、この本の内容の研修を受けられると良いと思う。
    タイトルがキャッチーな分、もう少しカジュアルな内容かとナメていました。。

    特に下記は、今後業務の中で盛り込みたいと思った。
    ・モノの名称のつけ方の工夫(重要でなさそうなネーミングだと粗末に扱われる)
    ・「行う」という言葉は禁句
    ・「〇〇に注意する」…注意は心の中の行動なので、漠然としている
    ・緊急事態用マニュアルでは経過時間ごとにありえそうな状況と望ましい行動を台本にすると良い
    ・マニュアル自体の構成。訓練方法などのマネジメントや、マニュアル自体の歴史も入れる
    ・検査業務で手を抜かせないために、適切に行わない場合に何が起きるかを併記
    ・標準作業ループは片付けて最初と同じ状態にするまでを指す
    ・道具は多機能にせず、単機能に
    ・暇の連続になる、「対処」の退屈さを打ち消すには宗教性を付け加えることが必要
    ・成果が積み立てられる作業は優秀
    ・停止できることは安全の味方
    ・準備と本体の境界を明確にし、準備期間をできるだけ広げる
    ・そろい待ち合流の場合には、関所を実体化
    ・ダブルチェックは同調バイアスを生んでしまうため、廃止
    ・システムはアンドゥ―ができるように

  • 確かに「当たり前」まではマニュアルに書かない等、うなづける点が多い。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1部 マニュアルの文章術(マニュアルの目的/マニュアルの文章作法/マニュアルのあり方)/第2部 正しい作業手順の作り方(手順の全体構造/作業は「型から型へ」で組む/チェックは「節目で味見」を/作業の意味論)/第3部 練習問題(「ルールブック調マニュアル」を手順主義に書き直す/消費税の軽減税率早見表を作ろう/センター試験問題配布ミス事故)

  • マニュアルをつくるためのマニュアル。メールやビジネス文章にも使える伝わるまとめかた伝えかたのポイントがたくさん。

  • 上司の薦めで読んだ本。
    本書の要点自体がマニュアル的に書籍の冒頭に書いてあるのでまずはそこを遵守するのが良い。
    書籍の中身で、なぜ冒頭の項目が必要か説明がなされる。あっという驚きというほどではないが、言われてみればそうだよなあと思う内容が多い。
    個人的に示唆を得たのは、対処という仕事は、異常時には忙しいが、平時には暇という性質があるが、この様な仕事から退屈さを削ぐためにはある種の宗教性が必要という記述であった。定例の作業をいかに手を抜かずに飽きさせずに行うのか、ということの1つのヒントになりそうな気がする。個人的には宗教性もあるし、習慣の力もある気がする。
    また、分岐のあるフローチャートは良くないとして、代替策として早見表を提唱しているのも参考になった。

  • 「ダブルチェックは廃止する」という箇所があって、衝撃だった。何かミスが起きるたびに、ダブルチェックするという手順が作業に追加され、とても面倒、意味があるのかと漠然と感じていた。著者によると、安全工学の学界ではダブルチェック有害論は珍しくないそうだ。
    ネットで調べてみるとあながち嘘ではなさそう。「社会的手抜き」というようだが、自分だけではなく、他の人もチェックする、あるいはチェックしたと思うと、別に手抜きしようと思っていなくても、チェックが甘くなるようだ。また、同じ環境で働いている人は同じ思い込みをしがちで、チェックにならないことがある。また、上位者のチェックを下位者が行う場合、遠慮が入りがち。ダブルチェックには時間がかかるし、チェック量が増えると形骸化しがち。
    確かトヨタの生産方式を勉強したときに、品質は工程で作りこむとかいって、検査で不良品をはじくのではなく、不良品を出さないようにするんだと習った気がする。ダブルチェックって、検査を2回やるということで、そもそもそういう方向性ではなく、不良が出ないように仕組みをつくることが大切なはず。
    他方で、ダブルチェックは必ず行うようにしなさいと書かれたサイトも多数あり、scientia est potentiaだよなあと、思った。

  • うちの会社の社内システムがまさにこれに記載されている通りしょーもないマニュアル。開発部にいるときに読めばよかった。

    チャーチルの繁文縟礼の話は昔からあるのだと初めて知った。
    ただ、フローチャートは必ずしも早見表に変換できるとは限らないと思う。

  • 職場のミスをなくし、仕事を円滑に進めるためにはマニュアル作成が必須。マニュアル作成の具体的なアドバイスを紹介した図書。自分の職場も担当者がコロコロ変わるので、日々マニュアルを見直していかないとと感じた。

  • ・話の進め方は一つのゴールに向かって「一直線一定速度」
    ・人間の理解力は物の「名前」に引きずられる。
    ・フローチャートより「早見表」
    ・手順を「上から下へ」、場合を左右の位置違いで表す。

    ・「正常」とは何か?
    ・「レジリエンス」中枢の存続を泰一に置く防災思想
    ・「節目」を作り、型を照合、途中までの成果積み立て
    ・「一本道」は作業の王道
    ・行為の有無より結果の「味見」
    ・論理より「わかりやすさ」、満点でなく「合格範囲」

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著者プロフィール

1972年神奈川県生まれ。国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 副連携室長。中央大学大学院 客員教授。内閣府消費者安全調査委員会専門委員などを兼務。専門は、ヒューマンエラー(人間の間違い)、安全工学、認知心理学。カリフォルニア大学サンタバーバラ校への交換留学を経て、東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。著書に『「事務ミス」をナメるな!』『「マニュアル」をナメるな!』(ともに光文社新書)、『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』『防げ! 現場のヒューマンエラー』(ともに朝日文庫)、『多様性工学』(日科技連出版)など。

「2023年 『テストに強い人は知っている ミスを味方にする方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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