JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334045838

感想・レビュー・書評

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  • ファッション雑誌は紙か電子か、これからどちらがより読まれるのか、もしくはファッション雑誌自体もうあまり読まれなくなってくるのか。

    …そんなテーマを女性(特に若い人)の社会的立ち位置っていうベクトルで読んでいくと面白いかも?

    ただそもそも、読む雑誌で決まる、女の子たちの"レベル"という価値観が、個人的にふわっとしかピンと来なくて、ファッション雑誌と「女の子」の関係をそんなものか〜と感じながら読んでた。

    わりと狭い範囲の女の子たちの話なような気がしてしまった。。。

    でも、社会背景からファッション雑誌を見るのはおもしろかった!

  • ハマトラ、ニュートラの女性たちを仰ぎ見て、心をときめかししてきた世代としては、昨年の紙のJJがなくなるというニュースはものすごいショックでした。そのJJを中心とした女性誌クロニクル。1975年のJJ創刊から始まる女性誌カンブリア期は、消費文化という観点からの女性の生き方の多様性を提示し、次々と新しいロールモデルを輩出して来た時代です。でも、3年前に大学生に洋服の情報は雑誌じゃなくてインスタから得るの?と知ったかぶりなインタビューをしたら、いやインスタも見ずに、googleの画像検索という答えを聞いて、雑誌時代の終わりはなんとなく予感していました。それでも、きっとこれからも女性と社会の接点は変わり続け、だからこそ自分のアイディンティファイに立ち向かう必要は進化し、それだからこそ雑誌時代にあったコミュニティとかカルチャーとかはますますニーズが高まる気がします。それを誰が、どんな風に担うのだろう…

  • まだ本書が刊行される前、
    『限界から始まる』で鈴木涼美は
    『JJ』の休刊に際して、
    「『JJ』が迷いなく提案したような上昇婚神話を、
    今の女学生は自分から、もう必要ないと
    手放したのかと思うととても感慨深い反面、
    強烈な価値基準のない中で、
    幅広い選択肢を与えられる女学生たちの、
    途方もない気分は少し想像してしまいます」(P182)
    と語っている。
    それを受けて、本書序章
    「どの雑誌を小脇に抱えているかは、
    その人がどんな価値観で人生を泳ごうと
    しているのかを示唆している」(P7)
    「甘美だが残酷で楽しく儚いその時代」(P25)
    アンビバレンツな涼美節で否が応でも
    胸が高まる。
    鈴木涼美の著書は
    『限界から始まる』『おじさんメモリアル』
    『女がそんなことで喜ぶと思うなよ』
    『身体を売ったらサヨウナラ』に続いて。
    ただ本書の正直な感想を言うと、
    第1章途中からすっかり興味が失せた。
    涼美節の持ち味である酒や汗やセックスの
    ベタベタした感じはなく、
    いわゆる社会学、評論だった。
    東大大学院卒、こういうのを書きたかったのか、
    年齢的なものなのか。
    この手の話なら酒井順子が十八番だろう。
    彼女の生き方と内容はシンクロしていて、
    同時代を生きた、等身大のリアリティはあるが、
    「女のコ」の話で完結している点
    「だから何?」って感じだ。
    「憧れの少し下、現実のちょっと上」とか
    「早稲田より慶應がおしゃれ?」とか
    小さい話だ。
    大学ブランドとかエビちゃんOLとか「どうでもいい」。
    ただ「第4章 女子高生と雑誌」は興味深かった。
    社会に出る前、未成熟な年頃のカオスは
    いつの時代も何か惹きつけるものがある。

  • 平成を彩った女性ファッション雑誌の特徴、分類、影響などについて熱く語られた一冊。
    90年代のこの文化のど真ん中にいた著者の言葉は独特でリアルで生々しくて熱い。

    単なる流行ファッション誌ということに留まらず、女子を微細なまでにカテゴライズし、生き様やアイデンティティやロールモデルを提示し、個性の余地を残しつつも「外さない」戦略的なその紙面は、平成文化史の一面として興味深い。

    ファッションに限らないけど、スマホ&ネットがなかった時代は、買い物一つのインパクトが大きくてハズレるリスクもあったので、マスメディアが作るイメージや「外さない」領域が示されていていたことの影響は大きかったのだな。

  • この方の文章は、決して自己憐憫に陥らない。個人的にはもっと調べて書いてほしいところもあったけれども、それをこの方に求めてはいけないだろう。

  • 女性教育会館パッケージ貸出図書(テーマ:大学生活)
    2階 階段前に展示中(10-12月利用可能)

     通常の貸出枠とは別に
     一人 3冊・14日間まで貸出可 (学内者限定)
     通常開館時間中に、1階カウンターで貸出返却手続きしてください

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50278058

  • 流行や新商品を紹介し、着こなしや使い方を例示したり、おしゃれな人をロールモデルとして紹介する
    というカタログ的な要素はもう戻らないのかもしれない。

    ただ、雑誌の発売日を把握して、教科書の代わりにバッグに忍ばせていた文化や、シロガネーゼや森ガールなど雑誌が提示した価値や生き方に賛同し、自分のアイデンティティとして取り込み、自分の生き方やライフスタイルを形成してきた証があるというのは確かにと思った。

    消費社会で雑誌をブランド的に、自分がどんな女であるかを把握し、提示していくというのはまだ可能性があるのかなと思いました。

  • なぜJJは休刊したのか。
    この問いに対する筆者の回答は説得力があった。

    デジタルで紙が打ちのめされたとは短絡的思考で、
    デジタルで社会が変わり雑誌が求められなくなったとするのが適切か。

  • 鈴木凉美先生のまじめな(?)面の出たもの。卒論とかの下敷によいかもしれない。でもまあ女性雑誌の時代っていうのは遠くなった感じもある。

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著者プロフィール

鈴木涼美

作家。1983年東京都生まれ。慶應大環境情報学部在学中にAVデビュー。その後はキャバクラなどに勤務しながら東大大学院社会情報学修士課程修了。修士論文は後に『「AV女優」の社会学』として書籍化。日本経済新聞社記者を経てフリーの文筆業に。書評・映画評から恋愛エッセイまで幅広く執筆。著書に『身体を売ったらサヨウナラ』『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』『ニッポンのおじさん』『JJとその時代』、『往復書簡 限界から始まる』(上野千鶴子氏との共著)など。

「2022年 『娼婦の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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