編集者の読書論~面白い本の見つけ方、教えます (光文社新書)

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  • 光文社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334046637

感想・レビュー・書評

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  • 読書論や読書術の本が好き。ですが、結局、途中で作品を読みたくなってしまい、読み切る前に置くことになりがちです。

    この本は編集者の目線で書かれた読書論と銘打っていますが、3分の2近くは、世界の編集者、出版起業家、図書館などの逸話の紹介で占められています。求めていたものとは少し違うものの、裏方の世界や文献について触れることも少ないので、これはこれで貴重な内容でした。

    欧米における編集者=エディターの職業人としての地位の高さを感じさせるエピソード。シニア世代になった作者の友人が、薦められた「ガリヴァー旅行記」を読んで、ジュニア用の縮約版では捨象されていた部分の魅力に気付いたエピソード。これらは前書きに書かれたものですが、特に印象に残りました。

    後半3分の1は、ドストエフスキー、トルストイ、メルヴィル、ゾラ、バルザックといった錚々たる文豪たちの作品紹介。代表作とは違う味わいの親しみやすいものとその特徴的な一節が紹介され、挑戦意欲をかきたててくれます。

    あとは、児童文学。ロビンソン・クルーソー、宝島といった定番をはじめ、傑作中の傑作とされるフィリパ・ピアス「トムは真夜中の庭で」の紹介はこれを読まないと勿体ないと思わせられます。

    多読を諌める読書論もありますが、そもそも自分は読むべき作品を読んですらいないと、こうした読書論を読む度に痛感します。各章の紹介文献リストを再読する機会が訪れることを祈りつつ、また読書論を渡り歩いているような気がします。

  • 駒井稔「編集者の読書論」|光文社新書
    https://shinsho.kobunsha.com/m/ma01ce0286cca

    駒井稔 アーカイブ - 光文社古典新訳文庫
    https://bit.ly/3MdHkdm

    編集者の読書論 駒井稔(著/文) - 光文社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784334046637

  • 世界の文学に広く目を通している編集者によるリスティングであるし、片寄りは少ない(光文社の世界新約は、中国古典系統はやや手薄)とは思う。
    個人的な読書経歴を顧みると、仏文は、なんか相性がわるいのか、ほとんど読んでいない気がする。また、トロッキー自伝は、いつか読めたら、と思っている。

  • 「読書論」というより、「名著紹介」という感じ。
    光文社古典新訳からの紹介多め。
    かのレーベルが名作揃いだという事なんだろうけど、我田引水感が否めない。

  • 著者によるブックガイドを想定して読んだんだけど、タイトルの通り(当たり前だけど)、編集者の読書論についてのガイド本だった。ニッチなな~。読み物としては結構面白かったけど、気になった本はそれほど見つけられず、下記くらい。

    子どもの本の森へ
    トムは真夜中の庭で

  • 読売新聞202372掲載 評者:石井千湖(ライター、書評家)

  • 読みたい本がたくさん増えました。

  • 著者が光文社古典新訳文庫の編集長だった経歴から考えると当然なのだが、欧米やロシア文学についてがメイン。日本を含むアジア文学についてはほとんどノータッチ。日本はともかく、アジア文学の紹介を期待していた自分にとってはやや消化不良だった。

    タイトルがミスリード気味な感じがする。

    くまざわ書店アピタ刈谷店にて購入。

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著者プロフィール

1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1979年光文社入社。広告部勤務 を経て、1981年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。1997年に翻訳編集部に異動。2004年に編集長。2年の準備期間を経て2006年9月に古典新訳文庫を創刊。10年にわたり編集長を務めた。 著書に『いま、息をしている言葉で。 「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、編著に『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)がある。ひとり出版社、合同会社駒井組代表。

「2021年 『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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