詐欺師入門 騙しの天才たち、その華麗なる手口 (光文社未来ライブラリー Mモ 1-1)
- 光文社 (2023年10月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334100872
作品紹介・あらすじ
カモの携行する金をだまし取る「ショート・コン」から、大がかりな舞台演劇のごとき「ビッグ・コン」まで、20世紀初頭にアメリカの都市で発展した信用詐欺の多彩な手口を紹介し、詐欺師たちの驚くべき生態に迫る。その手口のほとんどは時代とともに廃れたが、詐欺の根幹をなしている心理的な騙しのテクニックは、現代的な詐欺の多くにも引き継がれている。映画『スティング』の元ネタとなった名作、ついに文庫化。悪用厳禁!
感想・レビュー・書評
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人を欺いて、金銭等を自身の懐に入れる詐欺師。本書は、そんな詐欺師の特徴と手法を余すところなく解説する。著者によると、一流の詐欺師は、相手から感謝されるのが特徴だという。その為、相手から信用される人物像であることが何よりも大事である。そこで、詐欺師は、相手を惹きつけるために、自分磨きをしなければならない。具体的には、年齢にかかわらず、身なりを常に清潔に保つこと、政治、経済等の教養を身につけるなど、自分にメリットとなることは、積極的に取り組む。このように、彼らは詐欺に働く前の段階から、抜かりなく下準備をする。
では、本格的にカモを探す段階に入るが、本書によると、カモの対象となるのは、無条件で要件を呑む人はもちろんのこと、実業家や医者といった富裕層も含まれる。一方で、カモが正直者である場合、ことが容易に運ばず、ベテラン詐欺師でも苦労する。その為、ある段階で相手にしない。以上から、詐欺師は、相手の様子を常に確認して、自身の養分になるか否かを見極めなければならない。。
ちなみに、この本は古典的映画『スティング』のネタ本とあり、故に詐欺師の実態を知るのに優れている。詐欺の形式は時代とともに多様化するが、詐欺師そのものの本質は変わらない。詳細をみるコメント0件をすべて表示