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- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334700249
感想・レビュー・書評
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筒井康隆、半村良、フィリップ・マーロウ、フィリップ・K・ディック、カート・ヴォネガットらの作品について論じた本です。また、吉本隆明のバタイユ批判に対してバタイユを擁護した文章も収められています。
どのエッセイも、著者の理論の応用問題として書かれているようなのですが、肝心の著者の理論についてあまりよく分からないこともあり、理解できないところも多くありました。
どうやら著者は、意識に対する「外部」を設定するような発想を退け、「生命」というより包括的な立場に立つべきだと考えているようです。著者は、そのような立場に立つ思想家として、バタイユを高く評価しています。
そうした立場から、批評は「表層」の次元にとどまるべきだとする蓮實重彦を批判し、また、個的存在の意識を超えたところから物語を構築しようとしている半村良の作品世界を「SF」ならぬ「FS」(Ficticious Science)として理解するといった主張が展開されています。詳細をみるコメント0件をすべて表示