新宿鮫 (光文社文庫 お 21-4)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334724436

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。歌舞伎町を中心に、警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津を執拗に追う。待ち受ける巧妙な罠!絶体絶命の鮫島…。登場人物の圧倒的な個性と最後まで息をつかせぬ緊迫感!超人気シリーズの輝ける第1作。



    時代を色濃く描写してるので、妙に古臭かったりダサいな〜と感じてちょっとシラケる部分もあったけど、それを除けば脇を固める登場人物のキャラクターが良く、すいすい読めた。

  • 緊迫感が最後まであり一気に読破!

    1つの事件だが、クライマックスが2つあるのが特徴。

    事件とは無関係に思われた事柄も伏線として最後にはつながるので、すっきり読める内容でした。

  • うんと魅力的なはみ出し刑事の登場。しくじりキャリアなので読みやすい。構成と筆力。

  • 炎蛹(5)、氷舞(6)、灰夜(7)、風化水脈(8)
    と読みつないで、やっと 第1話 をよみはじめる。
    これで、5冊読んだことになるのか。
    鮫島という 不器用な オトコの生き方の
    原型が しっかりと 組み立てられる。
    この主人公の ポリシーというか 哲学が
    鮫島を 新宿鮫と呼ばれる所以となる。

    鮫島の長い髪の理由。
    模造の日本刀で、首を切られた。
    鮫島と晶との出会い。
    晶が巨乳で、ロケットおっぱいとは。
    鮫島が作詞する。

    鮫島が新宿防犯課のひとり 刑事をしている
    理由などが わかってきた。
    警察官と ロックバンドのヴォーカルの組み合わせが
    場違いで おもしろい。

    今回のストーリーは おかまと
    天才的な 模造銃を作る男の対決。
    その模造銃で、次々と警察官が 殺されていく。
    それに、からむように 愉快犯が。

    そして、最終的な舞台が 晶のステージだった。
    はじまりと、終わりをうまく つながった編集力が
    何とも言えず よいのだ。

  • 男性の同性愛について書いた箇所があるので苦手な方は回避。刑事とシンガーが親しい。この箇所が珍しいと思った。鮫と評されている通り、主人公は犯罪者を逃がさない。

  • 大沢在昌による、刑事鮫島が活躍するシリーズ第一弾。
    物語のそこかしこに時代を感じさせる表現があり、懐かしさを覚えると同時に、今でも通用する物語の展開にのめり込む。
    鮫島はキャリアの警部なのにそのストイックな姿勢から同僚からも疎まれ、捜査は通常2人でするところを一人で行う一匹狼。密造銃による警官の連続殺人が起こり、銃の製造を行っている男を追う鮫島がやがてたどり着く結末とは。
    冒頭のエピソードや鮫島の恋人がミュージシャンであることなど、様々な要因がその後の展開を大きく支えていて、作者の物語の構成力にさすがと唸らされる。犯人は途中でおおよその見当がつくが、犯人でも警察官でもない人物のモノローグがそこここで挟まれ、それが捜査にも影響するなど、現実にそういう愉快犯的なこともあるのかなあと思いながら読んだ。
    やや、冗長だったり、犯人でも警察官でもない人物が結局何者だったのかうやむやになったりと不満がないわけではないが、鮫島というキャラクターの活躍を追ううちに、小さなことは気にならなくなる。続編にも期待。

  • 初めて読んだ「ハードボイルド」といわれる小説だと思う。
    主人公の鮫島側と犯人側(実際には犯人ではなかったが)両方が同時進行で書かれていくのが新鮮だった。
    だんだん結末に近づいていく時のドキドキ感が忘れられない。

    鮫島も晶も格好いい。刑事とロックシンガーのカップルなんて小説の中だけだよねって思うけど
    鮫島の格好よさならアリだな、と。

    古い小説だから今読むと色々と違和感があるかもしれないけど、話に夢中になると気にならないはず。
    おすすめです。

  • メンツ本位のやり方をとらない新宿唯一の刑事、鮫島。警察の身内意識とは無縁。日本の警察機構そのものに真っ向から挑む。犯罪と戦い、同時進行で歪んだ警察機構を内側から正す。職業柄、社会から孤立化する警察組織。その中で致命的ともいえる孤高を貫く。妥協せず純粋に己の道をひた走る姿に打たれる。他方、自分を見捨てた街、見捨てた通行人、見捨てた警察官に対する怒りを増幅させるホシ。人に無関心な社会が引き起こすこの国が抱える暗部を見事に炙り出している。

  • 初大沢在昌。
    鮫島の晶を思う気持ちと口は悪いけど晶の鮫島を思う気持ちが良かった。今じゃ無理やけど、ちゃんと伏線もあってちゃんと推理小説。次も読んでみたい。

  • 鮫島をはじめとして昌や、彼らをとりまく警察組織など、一人一人に個性があって、飽きることがなく、感情移入することができたように思う。警察的な視点で捜査を進めていくシーンと、鮫島の日常生活(とはいってもほとんどが仕事にかかわっている気もしたが)のシーンが相まって、メリハリのあるストーリーになっていた。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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