娘に語る祖国 (光文社文庫 つ 8-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334725921

感想・レビュー・書評

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  • つかこうへいさん亡くなってますね。お嬢さん女優になったんですね。

  • 在日という存在が持つ可能性は日韓の狭間で独自に進化してきている

  • 娘さんに宛てた手紙のような本、の形式なので言葉が平易で読みやすかった。

    祖国韓国に対する「恥ずかしい」という感情の話がかなり前半に述べられていて、そのせいか、娘や奥さんに対して細かなことでも「嬉しい」という表現がよく使われているのかなと感じた

  • 岩田さん選書

    つかこうへいさんがお嬢さんにむけておくる、大切なこと。

    戦争があり、いまだに在日なんとかでいじめがあったりするけれど、自分がどうあるか考えさせられました。

  • 今とはまた違った形で両国間に緊張のあった時期の話なんだけど、所々で生身の感情がポロっとこぼれ出ちゃう感じがすごく響いた。確かに子どもに読ませたい気持ちになるかも。

  • 在日朝鮮人として韓国で演劇を指導・公演するエピソードを中心にして娘に語りかける内容。「恥のない人間はクズです」は共感。直後に,何を恥とするかが違うという話になる。この部分は大切な価値観だな。

  • 娘みなこに語りかけるように祖国に対する思いや
    実体験が書かれている。

    女の子として生まれた子供の将来を考えての
    優しい発言、在日韓国人としての実体験や
    憤りなどを赤裸々にしたエッセイ(かな?)。

    かなり思いのまま、筆を走らせている印象。
    でもその正直なところに好感を持った。

    本書が発行されてから長い年月が過ぎ、
    日韓は微妙さを残しながらも、日本側から
    したら只今韓流ブーム真っただ中。
    随分時代が変わっているのかもしれない。

    4歳みなこの将来も心配しているが、その
    将来となった今、つかこうへいさん自身は
    この世を去り、みなこは宝塚歌劇団のトップに
    登りつめた後、ラブリンさんとお別れし・・・
    舞台女優を続けている。

    今のみなこに対してどう思ってらっしゃるのか、
    生きていたら筆をとっていただろうか。

  • みな子よ、きっと祖国とは、おまえの美しさのことです。


    紀伊国屋さんのほんのまくらフェアで購入。あのフェア、良いですね!ほんの入りだけで作者もタイトルもジャンルもわかんないまま買っちゃえばいいじゃんフェア。ちなみにこの本のまくらは"かわいいおまえが、もう四つになりました。" 私のお家のかわいいあいつも、もう四つになってます。
    さて、読み始めてみれば、短篇の続くエッセイですね。一貫して、筆者であるつかこうへいが4歳になる娘みな子に語りかけるという体をとってます。
    つかこうへい在日2世。その辛さと自分の思い、葛藤、決意を語ります。
    しかし話の根底に流れるのは娘と妻への深い愛。まくらからも分かる娘への深い父性愛です。

    このフェアが無ければ自分から読もうとはしなかったでしょうが、読んでみる機会をもらえて良かった。読んでおくべき本だった。

    受験直前でしたが、一気読み余裕でした(°_°)いくない

  • お父さん好きな娘は読んだ方がいい

  • 「娘よ、祖国とはお前の美しさのことです」。劇作家つかこうへいさんが、飾らないけど心に響く言葉で綴った、在日韓国人としての苦悩と自負と希望。読んだ後に、隣の人にやさしくなれる本です。

  • 娘さんへの愛情が溢れている



    在日としてのつかさんの思いが伝わってきます



    祖国とは


    最後の一文には温かい涙を流させていただきました

    ナマで舞台を見る機会はなかったのですが、見たかった

  •  ざくっと読むと、著者が韓国公演のために、初めて祖国・韓国を訪れた際のドタバタ的な思い出話ように思える。
     でも、読んだ後にあれこれ思いをめぐらせると、決してそんなものではないことがわかる。
     
     文章の端々に、国という存在へのとまどい、弱者への眼差し、血を分けた娘と自分自身のアイデンティティの確認など、平易に語ることが難しいテーマがちりばめられている。
     どうしても深刻になりがちなそのようなテーマを、軽妙洒脱(こういう表現が適切なのかわからないが)な文章でするすると読ませてしまうのが、つかこうへいなのだろう。
     
     「きっと祖国とは、おまえの美しさのことです」と一人娘に語りかける著者の言葉は、シンプルではあるけれど、わかりやすい。だが、深い。

  • つかさんのみなこちゃんへの愛がとても伝わってきて涙が出てきました。
    愛にあふれた方だったんだなあ……。
    在日の人たちが差別されてた、というのはわたしの世代ではぴんとこなくて、つかさんが書いていることをあまり理解できないところもあるのですが、自らのアイデンティティーを求めて韓国へ渡った話、祖国とは家族への愛であること、男がとるべき道ががつんと書かれていました。読んでよかった。
    みなこちゃんはこんな大きな愛に包まれて育ってきたからこそ、あんなに頑張れて輝いているんだなあ。努力家だもの。

  • 在日韓国人のつかこうへい氏が自分を、祖国を、芝居という仕事を通して娘に語りかける親から子へのメッセージ。

    芝居という作品を母国であり、異国でもある祖国で作り上げる過程で、娘への手紙という方法で、自己というものを著者があらためて見つめ直しているように思える。


    最近、再び騒がれ始めた日本と近隣諸国との歴史問題。
    以前読んだ某記事に現地の方のこんな台詞が書いありました。

    「暴動やデモは日本人に対するものではなく、日本政府に対するものだ」

    僕は日本政府をバッシングするつもりはない。
    例えば「明日から外交関係の仕事をしろ!」と言われてもできないでしょう。
    きっと政府には政府なりの考えがあると思います。
    見て見ぬふりをするのではなく、そこはそう認める。認めた上で、僕らは僕らでできることをするべき。

    以前も別の箇所で書きましたが、個人レベルでもっと分かり合うべきです。
    そしてそれをすべきは僕ら若い世代。
    はじめは小さな握手かもしれないが、いつしかそれが国と国の握手となる。
    そう信じて止みません。


    それにしても国民性というものは違うもの。本書にある実際にあった話、

    「友人が勝手に自分のホテルの部屋に入り込みベッドに寝っころがって冷蔵庫の中からビールを取り出し勝手に飲みながらテレビを見ていた」

    そして著者が失礼じゃないか!と怒ると逆に

    「なんて非人情的な奴なんだ」

    と反論された。

    これだけ差があると100%理解し合うのは難しいのは確か。
    でも考えてみてください。
    日本人同士だって100%理解し合えるなんてことありますか?
    まずは何事も第1歩から!

  • お、…お父さーん!泣

  • 本で涙したのはこれが初めて。父親の娘への愛情にやられた。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。劇作家、演出家、小説家。大学時代から演劇活動をはじめ、73年『熱海殺人事件』で岸田國士戯曲賞を当時最年少の25歳で受賞。70年代演劇界に一大旋風をおこす。82年『蒲田行進曲』で直木賞受賞。現在も国内外で活発な劇作・演出活動を続ける。

「2018年 『小説 熱海殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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