月の船でゆく (光文社文庫 な 25-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334735678

感想・レビュー・書評

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  • 読み返すのは何度目だろう。冬の始まりに読みたくなる。石畳に響く靴音、マッシュポテトとココレット。凍えて白く吐き出される息。

  • 不思議で、どこか悲しい雰囲気のお話。
    冬の白いフィルターで、不明瞭な世界観ができあがっている。ココレットがとても美味しそうだった…。
    いつかティコがお父さんに逢えますように

  • みんないいやつで、みんな少し欠けている、それはまるで、月のように。

  • 高校生ジャスが出会ったティコという少年は本当に月から来たのか、少女なのか、不思議な女シルヴィの死んだ弟なのか、結局正体は分からず終いなので、普通なら『だからどうした?イラッ!』っと来る話なのですが、不思議とその不確かさがミステリアスで余韻が残ります。この世界の時間の流れがゆっくりで、透明で、なんだか心地よかったです。

  • 最後までどこまでも不思議な雰囲気のままで、ジャスとティコのつくりだす空気感が、たまらなく好き。冬の冷たい空気と、雪、夜猫の温かさと珈琲、触れ合う指先と唇の感触… 長野先生がつくりだす世界に感じ入ってしまいます。

  • 字が大きくてサクッと読めます。

  • 17歳のジャスと13歳のティコの冬のお話。

    しゃれた雰囲気が好きな一冊。

  • 長野作品の中で一等好きな小説。
    器量も器用も良いのに、それ以上に人が好いから周囲に振り回されがちなジャス。面倒を吹っ掛けられても、妥協してしまう懐の深さは、しかし、穿ってみれば、それは柔らかだけど一徹した無関心と不干渉でもある。
    多数の女性にその態度で対応してきたジャスが、ティコという13歳の子に徹底的に翻弄される様子が微笑ましい。

  • 自由奔放な周囲の女性陣やらちびっこに
    主人公が終始ふりまわされるおはなし。笑

    ごちゃごちゃしたどたばた系ではなくて、
    世界はあくまでも静謐で、すこし不確かで、不思議な空気。

    最初はほんと主人公が不憫すぎて
    周りのキャラにいらっとしてしまったけど、
    終わりには、なんだかみんな可愛く思えてくる。

    ティコの正体は、少年?少女?猫? 結局わからずじまいでしたが、
    へたに追究しないほうがこの本のイメージが崩れなくていいかも…。

    冬のはじまりの描写、空の色、おいしそうな食べもの、
    ちょっと物悲しくて、でも どこか あったかい、そんな感じの本。

  • 久しぶりに読み直した。長野さんの作品はおいしそうな食べ物がたくさん描かれるけど、この作品は特に美味しそうな気がする。
    誰にでもお人好しなジャスと掴めそうで掴めない儚い感じのティコの関係がなかなか。あと、女性陣が個人的に好きかも。
    晴れた冬の初めに読むのが個人的には好き。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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