OZの迷宮 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740597

感想・レビュー・書評

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  • 著者の代表的な探偵である南美希風が初めて登場する作品。女性と思っていたら男性だったのか。連作短編の体をとっているのだが全て読むと繋がっているという構造なのだがそれ以上に面白い仕掛けもあったり、なかったり。ミステリとしてはペンネームの由来となっているカー寄りでそれよりも島田荘司さんっぽい強引なトリックが目に付く。特に大胆なのは表題作の一部にもなっている「ケンタウロスの殺人」で中々に大掛かりである意味馬鹿馬鹿しいものを持って来ている。また全編を通して探偵の存在意義に対する考察が寄せられている。

  • 著者は結構ロマンチストだ。序盤は平凡だが、徐々に不思議な連作短篇集が姿を現わす。最後の蛇足感が気になるなと思いきや、あとがきでもう一捻り。ベスト短編は「◯◯◯(一応伏せ)」。ありそうでなかったミスディレクションと後味悪いエンディングはそうはお目にかかれない。

  • 密室の矢
    光文社「本格推理03 迷宮の殺人者たち」 1994年4月

    逆密室の夕べ
    光文社「本格推理マガジン 孤島の殺人鬼」 1995年12月

    獅子の城
    光文社「OZの迷宮」 2003年6月

    絵の中で溺れた男
    光文社「OZの迷宮」 2003年6月

    わらの密室
    光文社「OZの迷宮」 2003年6月

    イエローカード 承前
    イエローカード 承運
    光文社「OZの迷宮」 2003年6月

    ケンタウロスの殺人
    光文社「本格推理09 死角を旅する者たち」 1996年12月(原題 白銀荘のグリフィン)

    美羽の足跡
    光文社「OZの迷宮」 2003年6月

    本編必読後のあとがき

    本編必読後の解説 香山二三郎

  • 短編集。どの謎にもアクロバティックな解決が成されるのだけれどちょっと荒唐無稽感はありつつもミステリとしては十分楽しめた。一番好みなのは「絵の中で溺れた男」かなぁ。南美希風を探偵とした作品は他にもあるのでそちらも楽しみ。

  • 本格ミステリーは殺害方法さえ思いつけば、動機は後からいくらでも作れる。ゆえに、作者の指先一つで誰でも犯人にできる、という点を逆手にとった短編集だ。その志は買うが、同工異曲の事件ばかりで飽きてくる。ちなみに、受け継がれる絆、はウルトラマンネクサスのテーマでもあった。

  • 「密室の矢」 「逆密室の夕べ」 「獅子の城」
    「絵の中で溺れた男」 「わらの密室」 「イエローロード」
    「ケンタウロスの殺人」 「美羽の足跡」
    全8篇。連作短編集・・・なのですが、期待度大で読み始めたのはいいけれど
    読みながら戸惑ってしまった。
    これ探偵が変わるんだよね。
    しかもその入れ替わり方が驚きなのよ。
    そんなの有りですか????ってのまである。
    これはあとがきまで読んで、面白さ倍増!!と思えます。
    こういうのは初めてだったので、楽しめました

  • 長編だと思い込んで読み始めたので最初はだいぶ戸惑った。連作短篇集。
    最初二篇くらいはあんまり面白くないかなと思ったけど、三つ目くらいからまあ面白くなった。

  • 3+
    企み過ぎにも程がある。「ケンタウロス〜」等、奇抜な謎で興味を引き、良い意味で印象深い話もある。が、連作の構成上必要とは言え、結論ありきで作られた第3話の無理矢理感が、説得力も低く足を引っ張る。

  • トリック重視、真っ向勝負の本格ミステリが楽しめる。文章が読みづらいのが難点。

  • 名探偵のための、短編連作。
    いい意味で裏切られた。
    南美希風まで悲劇的な最後を迎えるんじゃないかとハラハラしたが。
    しかし、あのあとがきを踏まえると、「驚異的なパワーを持つ頭脳です」とか「まさに"魔術師"ですね」とか、恥ずかしくなかったんだろうか…これも自己愛性人格障害のなせる業か…。

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著者プロフィール

1959年、北海道生まれ。1994年に「密室の矢」が読者投稿アンソロジー『本格推理3』(光文社文庫、鮎川哲也・編)に採用され、以降も「逆密室の夕べ」と「ケンタウロスの殺人」の投稿作品が採用された。98年、長編「3000年の密室」で作家デビュー。代表作は「時を巡る肖像」「密室キングダム」。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブの各会員。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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