- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334742881
感想・レビュー・書評
-
2人の主人公はお互いに嫉妬し、嫉妬させられて、気持ちいいくらいに対立しています。その中で、どちらかが勝った負けたはなく永遠にその関係が続くので、そういう意味でのタイトル名なのかな?とか思いました。
他人から見たら羨ましいことでも本人は劣等感を抱いていたり、またその逆もあり、人の感情は複雑だなと読んでて思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは、ノンフィクション。
この本に全く共感出来ない女は相当なもんだと思う。 -
女性の生態のほぼ全てが分かるといっても過言ではない作品。
結婚か仕事か。
どちらの選択をしたかによって、女性はそれぞれの派閥に分かれることになる。自分の選択こそが正しい選択なのだと思いつつ、自分とは反対の選択をした女性を羨ましいとも思う。
さらに面白いのは、選択する前の女性の多くが、私は両方手に入れる、と本気で信じていること。
結局のところ、どちらを選んでも、それなりに楽しくて、それなりに辛いことがあるのだろう。
実は、女性はいつだってそういう経験をしていて、
例えば色違いのバッグを前に、どちらを購入しようか迷う。自分の意思で選択して、そこに後悔なんて微塵もないはずなのに、ある日自分が選ばなかった方のバッグを持っている人を見かけて、あーやっぱりあっちにすればよかったかな、と思う。でも、それを認めることは敗北を意味するから、自分の選択を正当化することに躍起になる。
女性の人生なんて、そんなことの繰り返し。
“あっちを選べなかった”ではなく、”こっちを選んだ”。
そんな人生を歩きたいなぁ。
小説の中に、それぞれの言い分として数多くの名言が出てきます!そばに置いておきたい作品です。 -
『もし、あの時ああしてたらって、自分のもうひとつの人生を勝手に想像して、それに嫉妬してしまうのね。何だか、いつも生きてない方の人生に負けたような気になっていたの。そんなもの、どこにもないのに、人生はひとつしか生きられないのに』
隣の芝生は青く見える。
どちらかに転んだとしても、幸せで不幸せかは一概に言えないし、自分の人生なんだからましてや他人にとやかく言われる筋合いはない。
傷つくこともまた自分を成長させてくれてる。
今日はどんなに最悪で嫌で逃げたいそんな日だったとしても、もしかしたら明日は楽しいことが待ってるかもしれない。
背中からポンと後押ししてくれるような心がじんわりと温かくなる一冊でした。
唯川恵さんの世界観が本当に好き。
他の作品も読みたくなった -
最初は同じ会社に勤めていた薫と乃梨子。
薫は社内結婚、寿退社。乃梨子は独身のままキャリアを積むかと思われたが、仕事に失敗し退社。専業主婦で子供にも恵まれた薫の方が幸せに見えたときもあるが、乃梨子が運良く起業するとそちらの方が幸せにも見える。そんなふうに2人の女性の人生を対比しながら描いた作品。
自分はどちらかと言えば乃梨子側の立場だけど、入れ替わり立ち代わり描かれる双方の立場は、どちらも読んでいるときはそちらのほうに感情移入できて、反対側が羨ましく感じられたりもした。
一概にどちらがいいとは当然言えないけど、自分を不幸だと感じたときに夫や子供のせいにできる主婦は「甘やかされている」と感じるのは共感できた。
仕事をする事は、生きがいや趣味ではなく「責任」である。
多分それを背負って生きていることは、それをしている人間にしか実感できないことだと思う。 -
何度も読み返す一冊。
巻末の作者の一文から。
「ライバルは生きられなかった私のもうひとつの人生」
あの時逆の選択をしていたら…多くの人が思った事があると思います。
100%満足のいく人生なんてないだろうけれど、より良い道を歩いて行きたい…。
実際、過去の自分が逆の選択をしていても、やっぱり「その私」は「今ここにいる私」を想像して羨んでいるような気がします。
今、自分が持っているものを丁寧に見つめ直して「私ってもしかしてちょっと幸せかも…?」と思えるように心掛けたいです。 -
きっとどんな道を選んでも他人の芝は青く見える。そして、自分の道を後悔しない人は、かなり少ないと思われるが、自分の生き方に自信を持って生きていた方が、より納得できる人生であり、人生をやり直したいなどは考えない人になれる気がした。
-
5年振りに読んだ本、あの頃よりリアル。
ガールの「なにを選んでも別のなにかがあるのではないと思ってしまう」って言葉を思い出した。
色々ある。
結局、<自分>なんだろうな…
自分勝手とか、独りよがりなんじゃなくて。
『いまを生きる』!! -
他人と比べてちゃ自分の幸せは始まらないって改めて感じさせられた。
あと女の人はやっぱり縁があるなら一度は結婚や出産を経験した方が悔いは残らないのかなと。