こころげそう (光文社文庫 は 29-1 光文社時代小説文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748234

感想・レビュー・書評

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  • 下っぴき・宇多には、8人の幼馴染がいた。

    宇多は、小間物屋大和屋・由紀兵衛の娘於ふじに想いを寄せているが、言い出せずにいる。
    振り売りの弥太と大工の棟梁の娘お染は、恋仲。
    茶屋勤めのおまつは、錦絵になるほどの美印だか、弥太に気がある。
    叔父の口入れ屋に奉公している重松は、おまつに気がある。
    一番の箱入り娘のお品は、千之助に気がある。
    お絹は、宇多の親分・岡っ引長次の娘。

    ある日、千之助、於ふじ兄妹が、神田川で水死体となり見つかった。
    事故か、襲われたのか、真相は分からず。

    そんな於ふじが、幽霊となり、親元に現れた。
    だが、自分が、溺れた時の事は、あやふやで、思い出せないと言う。

    千之助、於ふじが溺れた事件を巡り、9人の幼馴染の恋模様を描く。

    ※「こころげそう」とは心化粧と書き
    口には言わないが、内心恋こがれること。

  • 解説の方が書いていたけれど、
    (ああ、何て好きだったんだろうな)という独白がいちばんのハイライトと感じました。

  • 好きな娘が幽霊になって現れてもまだ好きと言えない…中々恋はうまくいかないもんだなぁー…でも後味の良いお話。

  • 呆気なく人は死んじゃうから。生きてるうちに、言いたい事は言っておけ。やりたい事はやっておけ。千之助と於ふじの兄妹の死に方が、なんとも哀れだ。でも最期に聞きたい事が聞けて、それだけは良かったね。

  • ああ、何と言ったらいいのかな。
    面白いけどシリアスで、楽しいけれど哀しくて、幽霊や物の怪が得意な畠中さんの少し切ない江戸ラブストーリー。

    文芸評論家(大矢博子さん)の方の"現代に置き換えても成立する"まったくそうだと思いました。いつの世も周囲の環境が人生を大きく左右する。終わってみれば正しかったと思うのかも知れないけれど…
    江戸時代が舞台なのに身近で、けれど細かい描写や背景がしっかりと江戸時代。
    なんて哀しい、愛しい話なのでしょうね……彼岸と此岸は遠いですね。多分、この恋はひっそりと終われるのですかね。大切に

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      畠中恵は「しゃばけ」シリーズしか読んだコトがなくて、次は現代モノの「アコギなのかリッパなのか」を読もうかと思っているのです。
      「彼岸と此岸は...
      畠中恵は「しゃばけ」シリーズしか読んだコトがなくて、次は現代モノの「アコギなのかリッパなのか」を読もうかと思っているのです。
      「彼岸と此岸は遠いですね」
      意味深な言葉ですね、、、気になる。。。
      2012/07/31
    • らむね瓶さん
      生者と幽霊の距離が近いんです。だからこそ、隔たりが辛いなぁといいますか…。

      生者と幽霊の距離が近いんです。だからこそ、隔たりが辛いなぁといいますか…。

      2012/08/16
  • 人の心は儘ならぬ、人生も然りって感じかな。
    いつまで一緒にいられると思ってた友達と進路が別れていく時の不安や自分だけが取り残されていくような焦りを思い出した。最近そういう事を感じてなかった事にもちょっとびっくり。自分が澱んでる証拠だなぁと思った。
    ラストの「ああ、なんて好きだったんだろうな」って台詞は素敵だなと思った。想いが実らなくてもこういう風に思えるような経験っていいな。

  • 寂しいなあ
    みんな大人になっちゃった後は、バラバラになるより他ないのかなあ
    職業と、向き不向きと、惚れた晴れたがいっしょくたにならざるを得ない江戸の町人はなかなかままならないのね

  • 宮部風味が混じった幼馴染たちを描く時代小説です。
    下っ引きの宇多は幼馴染で想っていた相手と再会する。
    相手は幽霊になっていたけれど、それでも嬉しかった。

    幼馴染たちが巻き込まれていく事件を解決していった先には、
    何がまっているのか。

  • 男女9人江戸物語。
    子どもの時代をすぎて、恋心を抱えた青春時代をすぎて、それぞれ自分の道を選んで歩き始める。
    そんな頃があったのかとふと思う。

  • 好いた人に想いを伝えられぬまま、想い人が亡くなってしまった。想いは伝えられるのか?

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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