スナ-ク狩り (光文社文庫 み 13-9 光文社文庫プレミアム)
- 光文社 (2011年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334749705
作品紹介・あらすじ
その夜-。関沼慶子は散弾銃を抱え、かつて恋人だった男の披露宴会場に向かっていた。すべてを終わらせるために。一方、釣具店勤務の織口邦男は、客の慶子が銃を持っていることを知り、ある計画を思いついていた。今晩じゅうに銃を奪い、「人に言えぬ目的」を果たすために。いくつもの運命が一夜の高速道路を疾走する。人間の本性を抉るノンストップ・サスペンス。
感想・レビュー・書評
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登場人物の思いを複雑に交錯させながら、およそ半日の出来事をスピーディーに描き出す手法が映像的で、裏表紙にあるノンストップ・サスペンスという言葉通りの作品でした。
三十年以上も前に発表されたとはいえ、犯罪被害者の家族と加害者の隔たりや、司法に対する不条理さ、そして人が人を裁く是非を問う内容は今日的でもあり、それらを内包しながらサスペンスというエンターテインメントにまとめ上げる技量は流石だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
力強い作品でしたー
同時多発な描写は読んでてスピード感ありますね
最後の盛り上がりも迫力満点
ただ気になるのは事件後の慶子がどうなった?かですね! -
サスペンス、ただ年代が色濃くてたまに描写がイメージしにくかった
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ガチガチのサスペンス。映画観てるようだった。
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銃身を塞いだ散弾銃が結婚式場から関越を抜けて金沢の裁判所へ向かう。
久しぶりに手に取った宮部さんのミステリ。それなりに面白かったですが、頭の中を20〜30年ほど巻き戻さないと、やっぱり周囲の環境が変わりすぎてるのでなかなか入り込めないです。
二連銃の片方の銃身を塞ぐというアイデアがここまで緊張感を持たせるとはさすが宮部さん。
東野圭吾さんのさまよう刃といっしょにどうぞ。銃身に異物がないか、薬室に実包がないかをつねに確かめましょう。それと銃を人に向けてはいけません。矢先はちゃんと確認を。 -
最近スマホやインターネットのまだなかった80年代、90年代が舞台の小説を無性に読みたくなる。本書は1990年代初頭の刊行。留守番電話、自動車電話、ポケベル、テレホンカードなどが懐かしい。複数の視点で同時進行する物語。携帯電話がないため固定電話だけのもどかしいやり取りでストーリーは展開していく。「私刑は是か非か」がテーマ。
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やっぱり宮部みゆきさんは人間の内情を描くのが抜群に上手いと思う。
たった一夜の出来事とは思えないほど色んな人達の想いや行動が錯綜し、最後に1つに繋がる疾走感が素晴らしかった。 -
面白かった!断片的だったそれぞれの行動が一気につながる終盤が圧巻。飽きずに最後まで一気に読めてしまう。