- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334753962
感想・レビュー・書評
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ソ連崩壊前、共産主義にはそれなりに興味があった。その後歴史が証明したとおり、社会主義、共産主義は、たぶん人類の脳というOSに合わなかったんだろう。
「あっ、合ってないなあ」、と気が付き出した時の人類がどういう非喜劇を演じたか、壮大な社会実験を行ったソ連の内情を垣間見ることが出来て、非常に面白かった。
ドグマがなんであれ、批判を許容出来ない社会には活力も進歩も生まれないのね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スターリンの大粛清がまさに始まらんとする1936年にソ連に旅行したアンドレ・ジッドの旅行記。
この時期でもまだソビエト共産党の実態は知られておらず、ジッドも行く前は(行ってからもしばらくは)称賛していたものの、帰国後出版した本書では率直に失望を表明している。
本書は、左側から猛烈な批判を浴びたそうで、それに対するジッドの反論である「修正」も合わせて載せられている。
解説や注も丁寧で、良書。 -
内容についての良さは置いといて、訳者による前書きやあとがき、解説の丁寧さと熱意のすごさたるや…ジッドに込められた想い、前訳者に対する尊敬の念などを読んで、文庫と厚さにしては1200円ほどと高さを感じたが、これはそれ以上の価値がある。ソ連をより知るための教科書でもあるがそれ以上に現代人には必読書と感じる。読んで本当によかった。
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実際に見てきた奴のほうが強いわ
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ソ連については教科書以上の予備知識はあまりなかったので、当時フランスでソ連の信奉者が知識人の中にも多くいたのには驚いた。あとがきにもあるように、「歴史が証明した」後に私は生まれたから。
旅行記と聞いて想像した内容とは違って、ほぼソ連への批判文だった。最初こそはソ連への希望的観測を捨てきれていないようだったけれど。
全体として真実を見つめ誠実であろうとするジッドの姿勢にはとても好感が持てた。ジッドがソ連を訪れたのは66歳だったという。作家としても成熟した年齢になっても、自分の想像と現実が違ったときには過ちを認められる柔軟さや誠実さを持ち続けていることに尊敬。
現代でも全体主義的な脅威はいまだ存在しており、その脅威はこれからより一層大きくなるように思われる。ソ連時代の本では歩けれど、現代にも通ずるメッセージを持っていると感じた。 -
共産主義に夢を見たフランス人作家のアンドレ・ジッドが、社会主義を実践し、平等な社会が実現しているはずだと胸をふくらませて訪れたソ連で、理想郷とは程遠い現実に失望し、己の感覚に真摯に向き合った、ソ連批判の色の強い旅行記。出版当時、まだロシアを「理想の体現者」と見ていたフランスの共産主義者たちからは手厳しい批評を多く突きつけられたようだが、それでも自分の主張をひるがえすことなく、『ソヴィエト旅行記修正』でそれらに反論していく姿勢もふくめて、自分もこうありたいものだと思わされた本だった。今年読んだなかでは、『自由からの逃走』『キェルケゴールの日記』『哲学思想史』と並んでベスト5に入るかもしれない。
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・これは面白い。歯に衣着せぬ鋭い意見。
・ソ連の欺瞞をジッドは見抜いていた。
・何度か読み直してみたい。 -
面白かった。赤かった時代のソ連に旅行した時の作者の感想。こういう他国の政治には、くるんでくるんで、匂わせ程度にしとけばいいのに、多分それでも批判されるのに。別に攻撃、批判をしてるんでなくて、ちゃんといい所も挙げている。多分フランス人が一番、人間の尊厳、生きることの理由意味などに真摯に向かい合っている人種で、最後の一人になろうとも、違う物にはノーというべき姿勢を貫ける人種かと思っているが、当時のソ連には、個人を表現するすべが見当たらず、作者は絶望を感じてしまったようだ。この作者読んだことなかったけど良かった
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