告訴せず (光文社文庫 ま 1-26 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 69
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (539ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334765088

作品紹介・あらすじ

選挙に出馬する義弟の不透明な資金三千万円を持ち逃げした木谷省吾。逃避行の間に温泉旅館の女中・お篠から、群馬県比礼神社の、農作物の出来高に関する占いがよく的中するという話を聞く。木谷は占いに従い小豆相場へ投資、大儲けをする。そして新しい人生を始めるため、さらに大きな利益を狙うのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • 選挙資金を持ち逃げして相場で当てて…というサスペンス。占いと相場という合理的なんだか非合理なのかよく分からん組み合わせで引っ張っていくのはさすが。
    怪しい登場人物達もさることながら他作品に違わず人間は信用できん!と思わされる。

  • 選挙資金を持ち逃げした主人公。まさに表沙汰にできない告訴できないお金、犯罪である。逃走の間に逗留した旅館の中居から、太占の占いのことを知り、その資金で小豆相場で大儲けする。その中居と内縁関係となり、モーテルを開業するが……。

  • 2017.7.4
    一気に読んだ。推理小説としては、いまいちだが、当時の時代背景、金権選挙への批判、自民党と暴力団、小豆相場、太占、モーテル、
    それらが絡み合い、悪いことをしたやつは、結局殺される。告訴せず返し

  • この手の話は大抵が欲をかかなければ不幸にはならないだろうにと思ってしまうが、必ずと言っていいほど破滅に向かっていく。
    大金を手に入れ、しかもその金が自分の労働への対価ではないあぶく銭であるとき、人は後先を考えなくなるものだろうか。
    そして周りの人間をも狂わせてしまうのか。
    そんなことを考え、『足るを知る者は富む』を自分にも言い聞かせながら読んだ。

    題名の「告訴せず」は発端の3,000万円に対してのみだと思っていたが、因果とはこのことかと言いたくなるほど見事にラストへと繋がっている。
    訳ありの大金を手にしたばかりに疑心を抱き、企み、騙され、奪い取られる。
    物語終盤、真相が明らかになるにつれ、知らず識らずのうちに真綿で首を絞められていたのかと恐ろしかった。

  • 風采の上がらない中年男が選挙の裏金を持ち逃げした。
    告訴されることのないその金を資本に投資をし、儲けた金で人生をやり直そうと目論む。
    政治資金のからくりや小豆相場の駆け引きといった社会派な要素に農作物の出来高を占う神事という古典を絡めているのが面白く、主人公とともにひたひたと迫るスリルを味わうことができた。

  • 選挙資金を横領して小豆相場へ投資し新たな事業を始めようとする男の話。
    終始、ハラハラドキドキしながら読んだ。
    破滅の道は予想がつくだけに、読んでて楽しいものではなかった。

  • 半分以上読んでもあ~ゆ~結末になるとは想像出来なかったなぁ!

    松本清張クセになるかも。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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