絶海ジェイル Kの悲劇’94 (光文社文庫 ふ 24-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334766801

感想・レビュー・書評

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  • 実はしばしば話題に上る、ミステリで言う所の「未知の凶器」に対するまほろ流のアプローチなのかしらん?と邪推してみたり…まあ、実際は凶器ではないのですが…
    如何にして、堅牢な監獄から抜け出すのか?というのが本書のメインですが、上にも書いたように、到底想像も及ばないような方法が答えになっているため、人によっては首を傾げることになるやもしれません。しかし、そこは本格へ並々ならぬ情熱を持つ著者のこと。膨大な伏線と、それを繋ぎ合わせるロジックで、アンフェアにならないギリギリのラインを攻めてきます。
    真相を突き止めてやろうなどと肩肘張らずに、気楽に読むことをお勧めします。

  • エンタメ的面白さでは前作を上回る。過去の話がちょいちょい挟まる物語は(個人的に)中だるみになるのだが、本作ではあまり感じなかった。トリックそのものよりも、緊迫感といろいろ想像が捗るところがポイントか?

  • なんで、その世界に甘んじてるかな?家康君は。

  • 「イエユカ」シリーズの二冊目。
    戦時中、絶海の孤島に作られた監獄から、脱走した4人の華族たち。看守長だった憲兵中尉は割腹自殺を遂げる。
    そして現代…憲兵中尉の孫が、脱走の首魁者の孫である主人公 八重洲家康をはじめ、脱走者ゆかりの人間を同じ刑務所に監禁し、脱走方法を突き止めるよう命令して…というお話です。
    「再現実験」の名のもとに、憲兵(を装った者)たちが繰り返す拷問やサディストぶりには、正直、ヘドが出そうな嫌悪感を覚えます(それが☆一つ減らした原因ですが)。
    しかし、その極限状況の中で積み重ねられる家康の推理は見事です。
    家康と後輩以上恋人未満の渡辺由佳との関係も、前作より発展があり、そちらの方が気になる方にもオススメです(笑)
    巻末に、天帝シリーズはじめ、作者の他の作品との関連図も記載されており、まだまだ長いこと楽しませてもらえそうです。

  • 文庫版にて再読。
    やはり挑戦状が島田荘司『斜め屋敷の殺人』なみの無茶振りだと思いはするものの、『群衆リドル』よりこちらの方が好き。
    イエ先輩はシャワーを人類最大の発明だとか考えるとこが、まほろと気が合う理由なのかも知れない。

  • レビューといか雑多に色々。
    イエ先輩が本当にヒトなのか疑ってしまう 笑
    徐々に"彼女"の存在感が増し、何度も叫びたくなるようなことがあり、怖々と物語のなかをさ迷っていました。が、最後のアンコールでとても幸せな、前向きな気持にりました。
    これからもふたりが共にあゆんでいけますように。

    物語のこれからとしては、そろそろ"彼女"が本格的に舞台にあがるのだろうか。
    個人的にはまほちゃんとイエ先輩の共演を見てみたい。
    あと、ユカちゃんは紅茶ソラシド先輩の記憶が曖昧なのは会計として苦労したせいで思い出したくないからなのかしらん。

  • 絶海の孤島からの脱出劇。イエ先輩謎な人だなぁ。スワンボートに乗ると別れるというジンクスがあるけどこの二人は大丈夫かな。

  • 小川一水さんのツイートに度々出てくるので気になって読みました。

    読み始めは微妙だったんですが、途中から一気に引き込まれる。
    突っ込みどころは色々あるし、受け入れがたい部分も多々あるのですが、結果としては他の何かを全て後回しにして読み切ってしまった。

    なんだろ、この没入感。

    この作者の他の本も読んでみる。

  • ”絶海ジェイル Kの悲劇’94”古野まほろ著 光文社文庫(2014/01/09発売)
    (2012/01発売 光文社の文庫版。解説:小川一水)

    ・・・厳重な一望監視獄舎を擁する監獄島。八重洲家康に叩きつけられた挑戦状は先の大戦中に脱獄した祖父と同じ方法で脱獄して見せろ、という過酷なものであった。

    ・・・”八重洲清康(祖父)は無駄玉を撃たない。”作中にそう記載されているように非常に綿密に練られた脱獄計画。
    よくよく考えてみると”それは無理があるのでは?”と思う場所も多々ありますが、脱出劇プラス作中の殺人事件を勢いよく楽しめた一冊でした。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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