さよならハートブレイク・レストラン (光文社文庫 ま 12-8)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772857

感想・レビュー・書評

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  • 真以は恋人の南野刑事との久しぶりのデートに心ときめかせていた。やっと予約がとれた人気レストランには、奇妙なことに空席が目立っていた。なぜか、突然お客が減ったらしいのだが…。その謎を、名探偵ハルお婆ちゃんが解き明かしてゆく。(「予約のとりやすい店の問題」)ミステリー史上もっとも可愛い探偵が活躍する、ユーモラスでちょっぴりほろ苦い連作集。

  • シリーズ第三弾。

    可愛いお婆ちゃん・ハルさんが謎を解く、連作五話の探偵譚です。
    今回も様々な日常系の謎を解きつつ、真以の恋路と、最近しゃしゃり出て(?)くるようになった山田店長の恋の行方も同時進行でお送りしていきます。
    前二作と違って、この巻ではハルさんが謎解きに関して控えめな姿勢で、真以と山田さんが自力で謎を解けるようにサポート役になっている印象です。
    特に第五話「ボストンバッグと切符の問題」は、真以と南野さんが旅行中の時のエピソードだけに、二人で見事に謎解きをしていました。
    ・・という訳で、二作目では少し心配だった真以と南野さんの仲もハッピーな方向に進んで何よりです。
    (真以の仕事の件は残念でしたが、まぁ、大丈夫っしょ!)
    一方、山田さんと小椋さんも、お互い予防線を張りすぎてワケが分からない言い回しになっていましたが、気持ちを伝えられたし今後に繋がる感じになったのではないでしょうか。
    さて、ファミレスの隅のテーブルで、ハルさんや真以、山田さん達と同席しているような気持ちで様々な謎解きを楽しませて頂いたこのシリーズも、タイトルからしてこの巻で完結っぽいです(多分)。
    またいつか、スピンオフ的なものでも良いので、このメンバーに再会したいものですね。

  • 日常系ミステリにふわっと恋愛絡み。さよならってことでシリーズこれでラストかな。会話の中に理屈っぽいのが延々語られるのがちょっと、て思うけどまあ読みやすいし面白い。語り手のライターさん、恋愛の方はいい感じだけどお仕事の方がやや不調だったのがかわいそうかな。本人幸せそうだけど違和感。ハルさんの最後のお話良かった。

  • 第一作で感じた新鮮さやホンワカさが、何故か薄まっているような。
    真以と南野もちゃんとカップルになったし、山田店長もとりあえず気持ちにケリをつけたし(結果はどうかは分からないけど)、ハルさんは変わらずでしゃばり過ぎず、柔らかくも言うべきことは言い、素敵だったし。
    なんだけど、ミステリーとしてもシリーズとしてもいまひとつ入り込めなかった。
    悪くはないんだけど。

  • なんだかんだで好きなシリーズだったなぁ。
    とにかく真以ちゃんと南野さんがハッピーで終わって良かった!!!
    店長と小椋さんの方も気になるけれど。
    ラストの店長の言葉にちょっと泣きそうでした。

  • 【収録作品】果物のある部屋の問題/予約のとりやすい店の問題/油絵と宇宙人の問題/嘘つき装置と真実の問題/ボストンバッグと切符の問題 
    *人の心のちょっとした悪意に滅入りつつ、温かい人たちに救われる、そんな短篇集。

  • 前作の方が断然に良かったし、気にならない人は別にだが、次作がありますよ感な終わり方も個人的には中途半端に思えるので好みでは無い。次作は勿論読みますが…

  • 南野さんとは上手くいって良かった。ハルさんや山田さんはお似合いの二人だと誉めていますが、そんなにピッタリかなあ?1作目から読み返したけど、恋愛の描写が薄くてそこまで想いあってるようには見えなかったです。
    真以の仕事もいまいちな終わり方で、いろいろと物足りませんでした。

  • フリーライターの真以が仕事場がわりに通う東京郊外の寂れたファミレスには、名探偵のハルお婆ちゃんがいる。
    真以に持ちこまれた風変わりな事件をたちどころに解決してくれるハルさんには、ある秘密が――。

    「ハートブレイク・レストラン」シリーズの第三弾にして、完結編。

    日常ミステリの連作短編集なのですが、謎は小粒で、ちょっと微妙。
    中には少し毒気が含まれたお話もありますが、全体的には薄味です。
    ハルさんの推理が当たっているかどうかも明かされない場合もあるので消化不良の感もあり。

    でも、ミステリよりも、ほのぼのとしたハルさんや真衣の会話に何だか癒されます。
    ハルさんだけではなく変わり者の女刑事・小椋さんや強面のファミレスの店長のキャラもいい味を出してるし。
    彼らの会話を読んでいるうちに、自分もファミレスの末席で一緒に謎談議に参加しているような、そんなあたたかな気分になれるのです。

    ラストのハルさんの言葉も、すごく良かった!
    「さよならだけどさよならじゃない」なんて歌が昔ありましたけど、まさにそんな未来への展望が感じられるラストにはグッときました。

  • 積み上げた書類の上のバナナや大人の格好で新幹線に乗る小学生等の謎をハルお婆ちゃんは勿論店長や彼氏と共に解く。前巻にもあったけれど脱線を防ぐ為とはいえ人の話を遮るハルがひりつくというかちょっとつらい。真以の女友達や女性刑事等満遍なくて事件にはあまり入り込めなかったけれど完結としての終わり方が潔く綺麗。

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著者プロフィール

一九六〇年、石川県生まれ。会社勤務を経て作家になる。八九年『異次元カフェテラス』を刊行。九一年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選。主な著書に「ニャン氏の事件簿」シリーズ、『おせっかい』『ピピネラ』『九月の恋と出会うまで』『嵐の湯へようこそ!』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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