ホイッスル (光文社文庫 ふ 23-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773793

感想・レビュー・書評

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  • 初めての作家さん。なかなか面白いです。私が知らなかっただけで作品は多いようです。他の本も読んでみます。

  • 結末が気になり一気に読みました。
    真面目に生きていても、悪い人の罠にスポッとハマってしまうことがあるんですね。
    重めな内容ですが、それほど悲壮感は無く、テンポ良く面白かったです。

  • 裁判、離婚、嘘と、暗くて辛いものがテーマにあるのに読んでいて温かい気持ちになる不思議なお話でした。
    藤岡さんの描く優しい心を持った登場人物のおかげでこのあたたかさが生まれてるんだな、と思います、

    人の不幸はみんな同じ数、だけど幸せの数は掴もうとするほど増える、この言葉がすごく沁みました。



  • 再読。
    以前よりは、かなり客観的に眺めていたとは思いますが、やはり辛い読書でした。

    和恵の悪意に絡め取られ、翻弄された家族。
    長い夫婦の時間があればこそ、夫の不義理に対して、恨みがあってもどこか許してしまう気持ちもあったのかもと、聡子の心根を想像する自分がいました。

    家族に支えられ、自分の足で立ち上がった聡子の強さが、最後は章を受け入れたのだろうと思います。

    幸せは自分しだいで増やせるものだと気づいた聡子のこれからを応援したいです。


    2021/11/11

    再読。
    家庭を省みることなく仕事第一に生きてきた団塊世代の廉太郎。自分よりも人という我慢が習い症になっていた杏子。
    この時代の夫婦では平凡で当たり前で、感情を素直に出せない様子が切なかった。
    杏子の病状が進み、廉太郎が鎧を脱ぐが如く杏子に感情を見せるようになる姿に何度も涙し、妻として残していく夫が心配で、家事や近所付き合いなどを教えていく様に、同じ女として尊敬の念を覚えました。
    家族のお別れの時に、互いの尊厳を尊重し、その時を迎えることが出来る、そんな時間をもてたらいいなと私も望みます。

  • 読み始めたところ、場面設定がとても暗くどん底のような気分になるが、中盤に差し掛かる頃からさらに先が気になり一気に読んでしまった。どうしてこんなに、人物像がありありと浮かぶリアルな文章が書けるんだろう。幸福の量はその人次第、という言葉が出てくるが、それも聡子さんの生き様からしっかり感じられるし、希望のある作品だった。
    藤岡陽子さんという人の本、色々読んでみようと思う。

  • 結末が気になってずっと読んでしまうくらい面白い

  • ある夫婦に起きた突然の出来事を中心に様々な夫婦の形態を描き出し、私達に考えさせてくれる作品です。
    なんの予備知識もなく読み始めたのですが、ちょうど私自身が離婚を考えていることもあり非常に興味深く読ませていただきました。
    俺はこんなに酷くない、とか、ここまでしても夫婦の絆は残るのか?とか、いろいろ思いを巡らせました。
    一方で救いようのない人種が世の中にはいて、そういうのに引っかかってしまう不幸もあるなー、とも思いました。子どもたちがこのような人たちに出会わないように祈るばかりです。

著者プロフィール

藤岡 陽子(ふじおか ようこ)
1971年、京都市生まれの小説家。同志社大学文学部卒業後、報知新聞社にスポーツ記者としての勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に塾講師や法律事務所勤務をしつつ、大阪文学学校に通い、小説を書き始める。この時期、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師資格も取得している。
2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー。看護学校を舞台にした代表作、『いつまでも白い羽根』は2018年にテレビドラマ化された。

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