探偵は女手ひとつ: シングルマザー探偵の事件日誌 (光文社文庫 ふ 31-1)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334777838

感想・レビュー・書評

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  • 星一つは厳しいが、期待を裏切ったからなあ。シングルマザーが娘を抱えて探偵稼業をするというのが面白そうだったのだが、余りにあっさりしすぎているというか手抜きだよなあ。

  • ふだんはほぼ便利屋と化した探偵・椎名留美の連作短編集。

    元警察官の探偵が、タフに活躍するハードボイルド小説。
    という設定だけなら他にもあるが、その探偵が女性で、しかも山形弁なところが個性的。

    タフな状況でも、交わされる会話が山形弁だと、ギャップがあるというか、独特のおかしみがある。

    古巣の警察がらみあり。
    警官時代に手を焼かされた相手や、暴力団がらみあり。

    言葉だけでなく、物語もがっちりと山形に根付いたもので、生活感があった。

    腕力担当の畑中逸平も、いいコンビ。

  • 深町秋生と方言って 全く意外な組み合わせなんだけど 山形弁なのに なんでこんなカッコいいのー?
    さすが深町秋生。
    仕事の中身だって 探偵というより便利屋さんの範疇のものが多くて 日常でありそうな話も多いのに キレっきれ。
    続編読みたい。期待してます。

  • 王道探偵モノでありながら「あるエッセンス」を入れる事で他との差別化がされた良い作品。

    本作は短編集となっており、
    探偵で主人公の椎名留美が様々な事件の依頼を受けて解決をしていくものとなっている。

    他の探偵モノと一線を画すポイントは、舞台が山形であるという点がある。
    主人公の留美含め登場する人物全員との会話が「強い訛りの東北弁」で行われるのである。

    「おう、留美ちゃん。おはようさん。えらい天気だなっす」
    「ホントだず。ついてねえべ。」

    たったこれだけの要素によって作品全体の印象がとてもマイルドになり、人物にも愛着がわく。

    事件自体はふざけたものでも無いにもかかわらず、会話するだけでこれほどホッコリさせてしまうという方言の力に驚かされた作品だった。

  • 深町秋生『探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌』光文社文庫。

    山形弁を華麗に操る元刑事でシングルマザーの女探偵を主人公にした連作短編ハードボイルド。いずれの短編も斬れ味鋭く、全く厭きることがなく、最後まで楽しめた。

    『紅い宝石』『昏い追跡』『白い崩壊』『碧い育成』『黒い夜会』『苦い制裁』の6編を収録。

    山形市で探偵業を営む主人公の椎名留美は、探偵業だけでは小学生の娘とはまともに暮らせないので、パチンコ屋の並び代行にさくらんぼの収穫の手伝い、デリヘルの送迎など便利屋も営む日々を送るが……

  • 山形で探偵業営むシングルマザーの探偵椎名留海が主人公の短編集。

    探偵と名乗っているがパチンコ屋の並び代行農家の手伝いなどといった仕事もしているのでほぼ便利屋ではある。 

    登場人物全員山形弁で話が進んでいくのが面白い。
    チンピラ、ヤクザ相手に果敢に立ち向かって行く姿は勇ましいがバイオレンス描写は皆無。

    脇役の仲間も元ヤクザだったり、チーマーのリーダーと独特。

    ただシングルマザー探偵と謳っているが親子描写がほとんどなかったのでシングルマザー探偵でなくてもいいのではと思った。

  • 深町さん初読。山形の町のハードボイルド短編集。山形訛の女探偵がとてもかっこいい!

  • いやはや留美の山形弁には参ったず。舞台になっている地方に生きている自分には、本文に出てくる場所がリアルに分かって面白かった。んでも、わっがい人はこだいなまてねど思うげんと。他県の人は理解できるかなぁ。

  • 山形県が舞台という事で興味が湧いたため読んだ。
    山形出身の自分からすると、情景が目に浮かび、あそこの場所はどこがモデルなのか、くらいまでわかる。

    ただ、山形に縁もゆかりもない人が読んだとしたら、正直話にはあまりインパクトが無いしとにかく地味。
    しかし自分はその地味さがまた良いと思った。

    特に雪下ろしやさくらんぼ泥棒などの題材、地方ヤンキー特有の行動などが山形あるあるで面白い。

    個人的にお気に入りのキャラは元不良の逸平。
    留美とのコンビはやり取りが軽快だし、なんだかんだお互いが信頼し合っていて読んでて気持ちよかった。

    山形に一度でも訪れた事がある人は読んでみると楽しいと思う。


  • シングルマザーの椎名留美は元警察官で今は探偵事務所を営んでいる。しかし依頼される仕事は雪下ろしや農作業の手伝い、デリヘル嬢の送迎など便利屋もどきのものばかり。それでも時折元の仕事の関係で人探しや身元調査などの仕事も入ってくるが、それはなかなかハードなものだった。
    女探偵のハードボイルドもので、クールな留美がカッコいい。その上舞台が山形で、登場人物の会話が全て山形弁なのが新鮮。続編あったら読みたい。

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著者プロフィール

1975年山形県生まれ。2004年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。同作は14年『渇き。』として映画化、話題となる。11年『アウトバーン』に始まる「八神瑛子」シリーズが40万部を突破。著書に『卑怯者の流儀』『探偵は女手ひとつ』など多数。

「2022年 『天国の修羅たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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