麻婆豆腐の女房: 赤坂四川飯店物語 (知恵の森文庫 b よ 3-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334782207

作品紹介・あらすじ

日本にはじめて「麻婆豆腐」をもたらした、"中華料理の神様"陳建民。香港から来た彼を愛し励まし、成功への架け橋をともに築いたのが、日本人の妻・洋子だった。反対された結婚、店を転々とする日々、四川飯店の開業、"中華の鉄人"息子・建一の成長、建民の別離した家族との出会い-波乱と愛情と笑顔に満ちた女性の生涯を描く一代記。

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  • 日本にはじめて「麻婆豆腐」をもたらした、“中華料理の神様”陳建民。
    香港から来た彼を愛し励まし、成功への架け橋をともに築いたのが、日本人の妻・洋子だった。
    反対された結婚、店を転々とする日々、四川飯店の開業、“中華の鉄人”息子・建一の成長、建民の別離した家族との出会い―波乱と愛情と笑顔に満ちた女性の生涯を描く一代記。

    陳建民の包丁と鍋だけ持ち、さまよい料理人として生きる半生は、戦乱に巻き込まれた中国人の一例として知られざる歴史がある。
    さまよい癖がある陳建民が、どうしたら日本で根を下ろすかを奥さんの洋子さんがどう工夫したか、ワンマンだけど子供には甘い陳建民としっかり者の洋子さんが文化的な違いを超えて夫婦になっていく寄り添い合う夫婦愛、争い事が嫌いな陳建民が四川料理店を出したいという夢を叶えて辛さを抑え野菜を多めにしたり四川料理をどう日本人に合う味にアレンジしたかの苦労、妻の洋子さんが四川飯店でどう経営に貢献したかの裏話、日本中から愛される中華料理の裏側を知ることが出来るノンフィクション。

  • 11/18 陳建民氏と洋子夫人の物語。

  • 陳健一の母、つまり陳建民の奥さん洋子の一生を本人からの聞き書きにもとっまいて再構成したノンフィクション。洋子の生い立ち部分はお世辞にも面白いとは言えず、何度読むのをやめようかと思ったほどだが、途中、さすらいの名コック陳建民が来日したあたりから話は俄然面白くなる。迫られるままに周囲の反対を押し切って結婚し、放浪癖のある陳建民に日本に根を下ろさせ、その四川料理をあの手この手で広めていく手腕は圧巻で、晩年の陳建民は「ママは神様がくれた最高の宝物」が口癖だったという。そういう夫婦になりたいものだ。

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著者プロフィール

吉永みち子
1950年埼玉県生まれ。東京外国語大学卒業後、競馬専門紙「勝馬」の記者となる。吉永正人騎手と結婚後、『気がつけば騎手の女房』を発表し、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。ノンフィクション作家としての執筆活動を続ける。テレビコメンテーターと活躍するとともに、政府税制調査会などの委員を歴任。現在は、映画倫理委員会副委員長、民間放送教育協会会長、日本年金機構理事などをつとめる。著書に『試練は女のダイヤモンド』『終活にハマる女たち』『増補文庫版 怖いもの知らずの女たち』などがある。

「2022年 『老いを楽しく手なずけよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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