ドンナ ビアンカ (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334790356

感想・レビュー・書評

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  • 魚住久江刑事と金本刑事のコンビシリーズ2作目。
    前回は短編集だったが、今回は長編でも凄惨な場面の無い引き続き心安らかに読めるシリーズだった。
    ある男性の独白と誘拐事件が交互に出てくるが、最初は独白が子供の頃から始まるので、時系列が分かりずらい。誘拐された人の名前が出てきて、どういうことか何となく分かってくる。後半になってやっと同時進行してゆく頃に、誘拐事件の背景が分かってくる。純愛とも言える状況になってきて、最悪の結末も想像してしまったが、良い方に転がって安心する。武道シリーズと同様にのんびりと読めて良い。

  • 魚住久江シリーズらしくハッピーエンドで終るのだが、途中までの展開がタル過ぎ。主人公?の「孤独でうつろな人生を送る男」がなんか肝心な処で抜けてて物語が締まらないような。。。
    読み続けるのがなぜか辛くて、終えるのに結構長くかかった。

    以下Amazonより----------
    「姫川玲子シリーズ」の著者が生み出した、もう一人の女性刑事
    「魚住久江シリーズ」長編!

    孤独でうつろな人生を送る男が見つけた、ささやかだけど本気の恋。
    それが男を地獄へと招く――。
    中野署管内で外食チェーン専務と店長が誘拐された。
    練馬署の魚住久江も捜査に招集されるが、身代金受け渡しは失敗に終わってしまう。
    やがて捜査線上に浮かぶ一人の中国人女性。久江は事件背後にある悲しい真相に迫ってゆく。
    切なさと温かさが心に残る長編警察小説。

  • 中野署管内で、会社役員の誘拐事件が発生。
    捜査に招集された、練馬署刑事課強行犯係・魚住久江。

    2,000万円の身代金の要求があるも、受け渡しは失敗…

    捜査線上に浮かぶ中国人女性…

    中国人マフィアが絡んでいるのか⁇
    『ジウ・サーガ』や『姫川玲子シリーズ』なら、間違いなく、惨殺されて… となるはずが…

    『魚住久江シリーズ』は、人は死なない。
    ほんとに死なない。

    誰かの死の謎を解き明かすことより、誰かが生きていてくれることに、喜びを感じる。
    そういう刑事、魚住久江。
    姫川玲子とは違った、包み込むような優しさを感じる。
    が、ちゃんと捜査し、事件の本質を見抜く、洞察力はさすが。捜査1課から引き抜きがかかるほど。

    中年独身男性・村瀬と、中国人キャバクラ嬢・遥子への恋、擬装結婚、誘拐事件へと。
    村瀬が切ない。
    遥子も可愛さ、守りたくなるような頼りなさが、いいんだろうな、と思ってしまう…
    『ドンナ ビアンカ』、ほんとに遥子はピュアな女性だった。

    幸せになって、欲しいな、2人には。
    本当の夫婦として。
    どうなるのかはわからないが…

    そして、魚住久江が姫川班へ。
    『ドンナ ビアンカ』では背景はわからなかったが…

    2人の化学反応がどうなるのか、楽しみだ。

    誉田哲也にまだまだ嵌められている。

  • 誉田作品にしては珍しく、恋愛を軸とした刑事物。
    さ、次はいよいよ姫川玲子シリーズ最新作へ‼️

  • 村瀬も揺子も善人。利用され搾取される過程が苦しかった。2人の今後が、これまでの分も幸せであることを祈ります。魚住さんパートは姫川さんほどではないにしても、なかなかハードなやり取りがあって、その中にあってもどこか温和な魚住さんにほっとさせられることも多く、読後は穏やかな気持ちでした。

  • 誉田哲也にしては毒のない話だった。
    瑶子が可愛すぎ。

  • 久しぶりの誉田作品。

    誉田氏特有の、読むだけで痛い描写も僅かにありつつもこれまで読んだ中では一番、人の心の暖かさ、切なさ、人恋しさを描いた作品だと思いました。

    父を知らず、水商売をする母に育てられた村瀬。
    母を亡くした後、男一人生きていくだけの稼ぎが得られる仕事をしながら、これといった欲もなく生きてきた。
    真面目で、頭の回転がよいのが長所。

    そんな村瀬が酒屋の配達の仕事で出会った中国人ホステスの瑶子。
    互いに惹かれあうも、瑶子は、ある会社の専務・副島の愛人だった。
    そして村瀬は妙な縁から副島の会社に転職するがー。

    村瀬の視点と刑事である魚住の視点が交互にストーリーを進めていきます。

    後半、涙もろい私は切なさと悲しさで少し涙ぐみました。

    こういうのも書けるのかと誉田氏の新しい魅力を知りました。

  • いい加減な奴に振り回されても
    純粋に生きてるように振る舞っていても
    どこか弱くて柔らかいところを
    互いに守り合ってるだけ
    かばいあってるだけ
    そんなもんかな

  • 久江視点と村瀬視点が並行して話が進んでいき、最後に収束していく。
    タイトルの意味は最後になって理解ができる。
    やり方が正しかったのかどうかはわからないけれど、村瀬と揺子にはこれからは幸せになってほしい。

    姫川と一緒に捜査する新シリーズも楽しみ。

  • 軽いタッチのハードボイルド!?
    久江が主人公ではあるものの、加害者のようこを助けたいから来る、実直な想いも大きく描かれており、感情移入してしまった。
    誘拐事件の状況が進んでいくのと同時に、犯人たちが犯罪を犯すことに至るストーリーが描かれており、そのシンクロがこの作品の1つのポイント。楽しませてもらった。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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