- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334794231
感想・レビュー・書評
-
四人の女、それぞれ個性豊かでいろいろと苦労をしている。だからこそ人のことをよく見ている、そして痛みもわかる。
仕事の悩みや将来の不安はあるけれど、真摯な気持ちで仕事に取り組み、後ろを振り返らずに前向きな姿に潔さを感じた。
住宅メーカーの総務部長を務め、土曜の夜は新宿ゴールデン街でバーをしている水元闘子。
宅配便のドライバーの榎本千晴。
パン屋でバイトしている石井日和は、ドイツパンを作ることに力を入れている。
女と逃げた夫の清掃会社を大きくした会沢ひと美。
この4話の全てに登場するのは、斎木である。
規則正しい、幸福の象徴だからと水玉模様が好きでよく身につけている。
ひとことで言えば変わり者だが、しっかりと自分を持っている。
水元の会社に「障害者枠の採用」で入社している。
会社以外のプライベートで登場してくるので、それも楽しめる。
彼の特性を名付けたりせずにさらりと出てきているのが嫌みがなくて感じが良い。
重苦しさを感じさせないのが良い。
とてもすっきりとした読後感だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4人の働く女性の悩み、奮闘する姿に自分が乗り移ったように読んでしまった。どんな仕事も仕事の内容もさることながら人間関係や置かれた立場によりその大変さは計り知れない。斎木さんが各話に登場してあっ斎木さんだ、とクスッと笑える。著者のデビュー作『敬語で旅する四人の男』も面白かったので著者との相性は良さそうだ。
-
連作短編。どの主人公も女性で、女性だからこその理不尽にさらされているんだけど、全員もれなく逞しくて、しなやかに強いので素敵だなぁと思う。
もちろん弱い部分もあるけれど、皆力強く前に進んでいて、読後感が心地よい。
どの話にも出てくる斉木さんがいい味出してます。 -
花電車、高野、の次がどうしてなかなか購入出来ずにいたが新刊の文庫本出たのが喜 水元さんを読んでいて生き方も考え方も飲み込めるし部下に対しての想いと背中を押してくれるっていい場面だなぁと思った。猫って登場するだけで幸せな気分になるって事、ごめんねやっと旅から帰ってくれたのがフリが効いていて回収できているので上手だと思います。構成がしっかりしているからか、読みづらさ0ですね。これだけで長編小説出来ると思いきや次から全部素敵でした。斎木がスパイスになるとは 解説で敬語で旅するからの登場とは、まだまだ浅い自分です
-
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00630554
住宅メーカーの総務部長を務め、土曜夜は会社に内緒の別の顔を持つ水元闘子。宅配便のドライバーをしている元ソフトボール選手の榎本千晴。鋭敏過ぎる感覚を持ち、ドイツパン作りに情熱を燃やす石井日和。女と逃げた夫の小さな清掃会社を育て上げた会沢ひと美。仕事の悩みや将来への不安に揺れる四人の女たちが踏み出す一歩。読めばすっと心が軽くなる連作短編集!
(出版社HPより)