月夜に溺れる

著者 :
  • 光文社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911751

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  • なかなか面白いキャラ設定。



    神奈川県警生活安全部に所属する真下は優秀な女刑事だが、

    恋愛体質であるところが玉に瑕。



    バツ二。相手はどちらも同じ警察官で、

    それぞれとの間に一人ずつ子供がいる。



    現在は、二度目の結婚でできた娘を引き取り、

    子育て中だ。



    さらにさらに、殺人事件の被疑者とは知らずに付き合い、

    アリバイ作りに利用される始末。



    これだけだと、どこが優秀なんだと思うのだが…。



    情にほだされっぱなしというわけではなく、

    犯行におけるほころびを冷静に突いていき、

    真実にたどり着く。



    二番目の元旦那からは、

    「…は君がいなくても、君以外の誰かを利用して殺人を実行しただろう。

    …君でよかったんだ。隙があるんじゃない。君には犯罪者を誘引する

    何かがあるんだ。それは君の才能であり、早期解決は君の成果だ」と、

    慰められる。



    問題児ではあるが、上からは結構、頼りにされている。

    部内ではどこの班にも属さず、課長や中隊長の預かりで、

    応援を命じられれば、どこへでも飛んでいく、言うなれば、遊軍扱い。



    四つの事件が描かれるが、

    十代の少女たちの危なげだが、大人顔負けの犯罪、

    そしてやるせなさや哀しみが見えてきて、少々、せつない。

  • バツ2、子供ありの女性警察官が主人公。
    気になった人が犯人ってどうなんだろう?

  • 初出 2013〜16年の小説宝石特別編集「宝石 ザ・ミステリー」連続4話

    主人公真下霧生は神奈川県警生活安全部の女性刑事で、同僚2人と結婚し離婚したが、元夫たちとは仕事も子育ても上手く協力している。
    居場所がなくて夜の街で生きざるを得ない少女たちへの眼差しは優しく、県警内では問題児扱いされていて、惚れっぽいゆえ新しい恋人から殺人のアリバイ作りに利用されることもある。

    魅力的なヒロインが切れのある推理で活躍するのだが、殺人の動機がちょっと軽い。

著者プロフィール

新潟県生まれ。二〇一一年、『消失グラデーション』で第三十一回横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビュー。同作は各種ミステリランキングにランクインするなど、高い評価を受ける。一三年、『夏服パースペクティヴ』で第十三回本格ミステリ大賞候補。テレビ番組制作に携わる傍ら小説を執筆している。その他に『ダークナンバー』『クラックアウト』など著書多数。

「2023年 『アンリバーシブル 警視庁監察特捜班 堂安誠人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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