- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334912109
感想・レビュー・書評
-
久しぶりに読む長岡作品。
初期の頃に比べると、新鮮味が薄れたというか、緻密さが薄れたというか。
七つの短編が収録されているのだが、どれも結末のシーンを書きたいがため、あるいはトリックを見せたいがための強引な筋書きを感じてしまう。
トリックや結末は面白いが、そこに行き着くまでのストーリーに感情移入しにくいので物語としては楽しめない。
それから小学生も高校生も、中年も刑事もヤクザも同じ語り口というのが、違和感がある。
逆に言えばトリックや結末を楽しみたいのであれば、テンポ良く読める。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
必ず最後にどんでん返しを持ってくる短編集。よくこんなに思いつくなぁと思うが今回は多少強引さのある内容が多かったような。時折、ん?と考えてしまうときがあったがそれなりに楽しめた。
-
前半の2作がよかった。テンポよく話が進んで最後にストンとどんでん返し、或いは種明かし。短編集はイマイチ入り込めない話があっても他で楽しめるというメリットがある反面、読み応えという点では少し物足りない。
-
+++
“にらみ”とは、刑事が公判を傍聴し、被告人が供述を翻したりしないよう、無言で圧力をかけること―。事務所荒らしで捕まり、懲役五年の判決を受けた窃盗の常習犯・保原尚道は、仮釈放中に保護司を殺害しようとした容疑で逮捕された。取り調べを担当する片平成之は、四年前の保原の裁判で“にらみ”をしていて面識があった。保原は自首しており、目撃者による面通しも終えているのだが、片平は納得していない。保原は人を殺めようとするほどの悪人なのか―。(「にらみ」)驚きと情感あふれるミステリー傑作集!
+++
表題作のほか、「餞別」 「遺品の迷い」 「実況中継」 「白秋の道標」 「百万に一つの崖」
+++
いささか無理やりな感がある個所もないわけではなかったが、展開が愉しみになるストーリーである。ラストは読者それぞれが納得するように、ということなのか、明確に文字にされていない場合が多いので、物語によっては多少悩む点もあったが、ほぼ納得できるものだった。事実の裏側を垣間見るような一冊でもある。 -
7編を収録した短編集。
暴力団の抗争事件の代理に出頭するまでの、暴力団の師弟関係のやり取りを描いた「餞別」から始まり、遺品整理の会社で働く親子の絆を描いた「遺品の迷い」など、相変わらず、珠玉の作品が揃う。
30ページぐらいの短編だが、どの作品も一筋縄ではいかず、もう何冊も読んでいるはずなのに、トリックの巧さに毎回引っかかってしまう…
今作もお見事でした! -
トリック、謎解き、人々の想いが描かれている。
-
短編集、7編。
ヤクザの兄貴分の粋な計らい、遺品の整理、目が不自由な少年に草野球の実況中継、離婚が決まった夫婦の登山、陸上部の騒音問題、裏切らない為のにらみ、出世争いの裏など、人間味溢れるミステリー。
個人的には「餞別」「遺品の迷い」が面白かった。ただ、少々凝りすぎの感も。 -
窃盗の常習犯・保原尚道は、保護司を殺害しようとした容疑で逮捕された。4年前の保原の裁判で“にらみ”をした片平は、彼が人を殺めようとするほどの悪人なのかと疑問に思い…。
短編集。表題作は「なるほど長岡弘樹らしい」展開とオチだった。でもほかの篇にはそれほど強い印象は残らなかった。「短編の名手」と言われる長岡の短編集をもう1作読んでみようと思う。
(Ⅽ) -
ミステリー短編集。そうくるか~と思う作品と謎解きにちょっと無理がある作品と。良かったのは表題作になってる「にらみ」と「百万に一つの崖」。「にらみ」は何度もどんでん返しがあり真犯人には驚いた。「百万に~」も二転三転する展開で最後まで真相がわからず楽しめた。