透明人間は密室に潜む

著者 :
  • 光文社
3.50
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感想 : 189
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913458

感想・レビュー・書評

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  • ザ・ミステリな中編集。

    透明人間や、高度に耳のいい人間、アイドルオタクなど、特殊な能力設定があったり。
    裁判員裁判の評議室や、脱出ゲームの船上など、クローズドな環境だったり。

    なんらかの制約下において、ロジックを追求していくところは、まさに推理小説の王道。
    ミステリらしいミステリを、久々に楽しむ。

    1冊に4話と、短編ほど短くなく、それぞれじっくり楽しめる分量。

    ロジック中心の、人物が記号化したクイズ小説にならず、人物もしっかり描かれていて、読み物としてもおもしろかった。

    『このミステリーがすごい! 2021年版』国内2位。

  • 倒叙ミステリ
    密室撃
    探偵
    リアル脱出ゲーム
    短編集どちらかというと中編集

    「録音された誘拐」を先に読んで、この本に収録されている短編「盗聴された殺人」も読もうと手に取りました。こちらが第一作らしいですが、読む順番関係なく楽しめます。大野・山口コンビ、シリーズ化しないかなぁ。
    表題作も良かったです。倒叙ミステリが好きだということに今更ながら気づく。
    図書館本

  • 4つのミステリ短編集。およそあり得ない設定を舞台にしたものが多く、バカミスの系譜に属するのかも知れない。バラエティに富んだ構成で、どの作品から作者がミステリという表現方法を愛していることが伝わってくる。

    個人的に面白かったのは、まず3作目の「盗聴された殺人」。異常に耳が良い探偵って、ありそうでなかった気がする。しかも、耳がいいだけで、推理をするのは別の探偵というのも凝った趣向だと思う。

    そして、4作目の「第13号船室からの脱出」。タイトルを見ただけで、ミステリファンなら往年のあの名作へのオマージュであることがわかる。謎解きゲームに読者である私も参加しているような気分になり楽しめた。

    これらの短編が続編や長編につながるのか、含みをもたせた作者の解説が期待をもたせる。

  • 著者曰く、中編集。どれも軽くて読みやすいが、もう一捻りほしい感じもする。中編だから仕方ないか。一番最後の客船の謎解きゲーム一番おもしろかった。

  • それぞれ違う設定が軸になったミステリ短編集。事件を起こした透明人間が部屋の中にいるはずだが?の表題作と耳の良すぎる探偵助手がその特技で殺人事件の真相に迫る「盗聴された殺人」は特殊設定からの謎解きの誘導がスムーズ。さらに効いてくる仕掛けも好み。裁判員裁判の場でアイドルヲタクがその知識前提で評議を引っ掻き回す「六人の熱狂する日本人」は「キサラギ」好きだけど悪ふざけ感がどうも合わず。最後の船上犯人当てゲーム中に起きた誘拐騒動「第13号船室からの脱出」は双方が上手くクロスオーバーしていき伏線を拾っていくのが丁寧で良かった。船上ゲーム設定が魅力的。参加したい。

  • バラエティーにとんだ4編のミステリ。
    私は「六人の熱狂する日本人」が面白くて笑ってしまった。名前を番号で呼ぶので混乱してしまい2度読みしたけど。オタク恐るべし。

  • 1.透明人間病患者による殺人
    意外な盲点あり,事件の真相に驚いた
    2.アイドルオタクによる裁判員裁判
    3.探偵と地獄耳の助手×犯行現場の録音
    4.船上脱出ゲームと誘拐事件

  • 短編のミステリー・推理小説で私は読みやすかったです。短編集とは思わず読み始めましたが(笑)
    透明人間・オタク裁判・盗聴の話・脱出ゲーム…どれもこれも内容が全然違くて面白かったです。
    そんな考え発想あるんだなぁと感心に浸りました。
    透明人間が1番良かったです。透明人間になる事はいい事だけじゃなくて、デメリットがある事がよくわかりましたね。そんな困るんだなぁと。もちろんフフィクションですが色々と想像できましたw

  • 透明人間にアイドルオタクに特殊能力に脱出ゲーム、異なる色のミステリが楽しめて大満足の1冊。中身は本格推理なのだけどコミカルな部分もあってクスッと笑える。そういう意味では「六人の熱狂する日本人」は特に面白かった。著者のあとがきがあり、それぞれの作品を考えたきっかけなんかも読めたのが良かった。

  • 色んなタイプのユーモアに富んだミステリーの短編集。私はアイドルファンの殺人事件の話が面白かった。あとがきにもあるようにあの映画を見た人ならニヤリとする設定じゃないかな?
    トリックも分かりやすく、読みやすい短編集でした。

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著者プロフィール

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『星詠師の記憶』(光文社)、『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)、『透明人間は密室に潜む』(光文社)を刊行し、それぞれがミステリランキングの上位を席巻。’20年代の若手最注目ミステリ作家。

「2022年 『あなたへの挑戦状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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