透明人間は密室に潜む

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913458

感想・レビュー・書評

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  • 六人の熱狂する日本人が面白かった。自分の本の好みのせいか、本を読みながら笑うことがあまりないので新鮮だった。

  • 短編集。表題作の意外性にもやられたけど、個人的には「六人の熱狂する日本人」が好き。たまらないなぁ。オチも最高じゃない?リアルなら困るけど(笑)耳がいい美々香ちゃんも好き。聞こえ方の描写がとても良かった。

  •  研究室の扉の向こうから物音が聞こえ、透明人間が潜んでいるとわかっている。
    殺人現場を前にして、見えない相手をどう捕まえるのか・・・。
     
     裁判員制度のなか、裁判官と集まった各々が被告人にどういった量刑を与えるのかを協議するのだが、アイドルオタクにまで話は及び、予想外の方向に・・・。
     
     探偵事務所で働く女性だが、耳が特に良いのを生かし、残された音声から犯人を捜していくのだが・・・。

     船を貸し切っての脱出ゲームが開催されるなか、間違って拉致監禁された高校生と友人の弟。部屋の外では多くのプレイヤーが推理を働かせ問題を解き進めていた。
     断片的な推理で、脱出ゲームも解き、誘拐犯人の正体も暴くことができるのか・・・。

     【透明人間は密室に潜む】【六人の熱狂する日本人】【盗聴された殺人】【第13号船室からの脱出】


    __それぞれ趣を変えた短編集。透明人間は、存在するのが周知の事実であるところが面白い。そこからの犯行動機も、さもありなんと思えた。
     
     裁判員の話は、類は友を呼ぶような、変に一致団結するところが可笑しい。

     盗聴された殺人は、淡々と答え合わせをしている感じで・・・って感じ。

     船を貸し切ってゲームの最中に、別の実際の誘拐事件も解決しなくてはならない状況も楽しめた。
     
     個人的には、【透明人間は密室に潜む】がおすすめ。

  • 特殊ミステリの中編作品集。透明人間が犯人で犯行現場に閉じ込められる表題作の「透明人間は密室に潜む」、裁判員裁判で集められた6人がアイドルオタクだったという状況で下される評決が社会の裏っぽい「六人の熱狂する日本人」、人並外れた聴力を持つ女性探偵が事件の真相を暴く「盗聴された殺人」、客船で行わえる脱出ゲームと狂言誘拐が絡み合う複雑な構造(真相も複雑)の「第13号船室からの脱出」。普通の謎解きでは使わない部分の脳を使えた感じで楽しかった。好みの作品は「六人の熱狂する日本人」。もう笑うしかない状況なのが目に浮かぶ作品だった。

  • 透明人間になる。それはもはや御伽噺ではなく、現実なのだ。ある時期から現れた奇病、それが透明人間病だ。肌だけでなく排出物も全て透明になってしまい血液検査さえ行えない、未だ特効薬はないその奇病が発生してから百年余り、人類はあらゆる混乱を乗り越えて透明人間との共存を図ってきた。そして今、奇跡的な新薬が生まれようとしている。透明人間の私は、それを、阻止せねばならない。

    特殊設定ミステリの中編4篇。どの話も意欲的でなかなか楽しい。最後の船上脱出ゲームに絡めた「第13号船室からの脱出」の謎解きゲームはありそう〜〜〜ってなった。よく出来てる。特殊設定を膨らませすぎず、どんでん返しも仕込みつつ、とはいえこじんまりとしすぎないちょうど良さ。長編になったときにどうなるのか楽しみだな。あとあとがきでアイマスPかつ°C-uteオタかなあと思ったら一気に親近感湧いてしまった。

  •  バラエティに富んだ短編集。

    「透明人間は密室に潜む」
     人体の透明化を防ぐ薬を開発した教授が殺された。犯人は透明人間!?

    「六人の熱狂する日本人」
     アイドルオタク殺人事件の裁判員裁判。ある事がきっかけで、裁判員たちの議論は次第にヒートアップして行く。

    「盗聴された殺人」
     ものすごい聴力の探偵事務所員が、盗聴器の録音から気付いたこととは?

    「第13号船室からの脱出」
     クルーズ船で開催されたリアル脱出ゲーム。しかし、その裏で……?


     短編のためか、謎そのものはそれほど難しくない。ガチガチの本格マニアさんだと物足りないかも。
     それはさておき、気になる部分はあるものの、設定が独特で読んでいて楽しい作品ばかりだった。ただ、語り口に少々アクが強くてくどい部分があり、それが合わない人も結構いるかも?
     特に「六人の熱狂する日本人」。昭和の短編SFやショートショートにこういう感じの、多いような気がする。あとがき読んだらやっぱり、T氏の影響があるらしい。なるほど納得。

  • 面白かった!どれも味が違う、でも全部美味しい老舗のお菓子を箱ごと食べたみたいな満足感。

    表題作はSFミステリ(特殊設定ミステリ)で、身体が透明になってしまう病気が存在する世界の殺人事件。
    「透明人間」の設定が緻密で、だからこそ事件にリアリティが生まれ、感情移入して読むことが出来た。
    事件そのものは哀しかったけれど、一番肝の部分のトリック(真相)が傑作で膝を打った。

    最後に収録されている「第13号客室からの脱出」は豪華客船での脱出ゲーム中に起こった事件。短編の中で二転三転する物語が楽しかった。最後の最後まで仕掛けがあって、文字通り隅々まで気が抜けない話だった。

  • 【収録作品】透明人間は密室に潜む/六人の熱狂する日本人/盗聴された殺人/第13号船室からの脱出

  • バラエティに富んでて、四編とも面白かった!
    著者の「題材への愛」を充分に活かしてるのが伝わってくるような印象を受けた。そういう作品大好き。
    「六人の熱狂する日本人」が個人的ベスト。これ舞台劇とかにしたら絶対面白そう。

  • バラエティに富んだ4編の作品集。
    トリックも設定も趣向が異なりそれぞれ面白い。気持ちよく騙されたり、クスッとしたり。次の展開が気になり終始ワクワク。4編ともすごく面白かった。
    もっともっと読みたい。

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著者プロフィール

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『星詠師の記憶』(光文社)、『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)、『透明人間は密室に潜む』(光文社)を刊行し、それぞれがミステリランキングの上位を席巻。’20年代の若手最注目ミステリ作家。

「2022年 『あなたへの挑戦状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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