さよなら願いごと

著者 :
  • 光文社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913502

感想・レビュー・書評

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  • 完全にひっかかりました(*≧∀≦*)
    作者の誘導に上手くひっかかり、最後になって『あれ?チカちゃん?コトちゃん?なんで??』と、ようやくクライマックスで亡くなったのは、コトちゃんではなかったのか…と、気がつく。

    狭い地域の中で沢山の登場人物が出てくるために、名前を書きながら読み進めていったのに、それなのに、いつのまにか、永瀬祥子の母がチカちゃんになってるし、美奈の母の弟がミツ君にすり替わっていた。そんなわけで、土屋賢一の表札で、拓人の父の名前が賢一とわかった時、正樹じゃないの?と、混乱の渦中に…

    違うとは思いながらも佐野君がコトちゃんを殺害したと思ったことがこの勘違いの始まり。作者はそう勘違いさせようとしたのだろう。『あーあ、ひっかっちゃった。』

    三十年前の少女殺害事件なのに、表紙絵はほんわかして可愛い。『なぜなんだろう?』と、思っていたのに…引っかかるなんて…(ひっかかったことが、かなりショックなんだろうと、引きずっていることを認識しています 笑)

    「笹舟って知ってる?葉っぱで作る舟。それにツユクサの花をのせて、川の流れにそっと置くの。目を閉じて願いごとを言って顔を上げたとき、舟が沈まずぷかぷか浮いていたら、願いごとは叶うんだって。」
    幼い頃に笹舟を作って皮に浮かべて、川の流れで競走したりしたことを思い出す。と言っても、田舎に帰ったときにそこでは仲良くなった子供達に(私もその頃は子供であるが)教えてもらったのだが、懐かしい。

    「目をつぶって会いたい人のことを思いながら三枚抜く。厚紙の右にそれを貼って、左に相手の名前を書く。厚紙を二つ折りにしたら出来上がり」
    どこにも恋愛のおまじないってあるんだなぁと、感心する。

    第一章は、小学生の女の子が主人公。第二章が中学生の女の子、第三章は高校生の女の子と、「願いごとツユクサ」、「おまじないコスモス」、「占いクレマチス」と花のリレーで最後に「花をつなぐ」で、一章から三章までのストーリーが繋がる。だから、表紙絵は、可愛くてもいいのだが、内容はハードであった。

    完全に騙された自分が面白かった。

  • 表紙のイラストでほんわかした物語かなと思いましたが、最初の章「願いごとツユクサ」のラストが怖かった。
    もう、どうなったのか気になります。それからは一気読み。
    もしかして...と思いながら、ラストまでハラハラしました。
    大崎さんにしてやられた一冊でした。
    私は騙されないという方は是非一読をお勧めします。

  • ほんわかした表紙とタイトルだけで手にとって、「願いごとツユクサ」のラストにふわっ?!?!と驚愕。
    それぞれの話、時系列にも???となりながら気になって一気読みでした。ああそうつながるのか-。
    面白かったけれど、表紙&タイトルとのギャップがすごかったです・・・。

  • 願いごとツユクサ

    小学生のコトちゃん、チカちゃん、ミツくんと畑の手伝いに訪れる佐野くん。
    佐野くんはいい人なのか、コトちゃんの運命は?

    おまじないコスモス

    祥子ちゃんと土屋拓人くん。
    二人の親は不倫なのか、祥子ちゃんの恋は?

    占いクレマチス

    沙也香と祖母の万智子さん。
    新聞部で発表するテーマを探すうちに新聞部の4人はいろいろな謎を追うことに。

    花をつなぐ

    白沢町の過去にあった哀しい事件の真相に新聞部の4人は新聞記者の土屋の情報をもとにたどり着く。

    4つの物語でツナグお話。
    大崎梢さんらしいな、と思いましたが、多少策をひねりすぎ?という感想です。
    面白く一気読みでしたが、どうしても「信実はそうじゃないでしょう」感が最初からあるため、いろいろ謎解きに引っ掛かり物語に入り込めない部分もありました。
    占い師のマチコさんに相談に来ていた女性の設定に無理があったような。

    と言いつつ、小学生や高校生の謎解きゲームには引き込まれましたので、星4です。

  • 時系列を、人物を、こうだろうと思って読んでいたら…! うん、なるほど。詳しく書いちゃうと面白くないから、とにかく読みましょう、と言いたい(笑)

  • +++
    夏休み。琴美の家に、子供たちの謎を解決してくれる青年がやってきた。祥子は想い人から、思いもよらぬ相談を持ちかけられる。沙也香は、それとは知らず、大人たちの「不都合な真実」を掘り起こす。それぞれの謎を追いかけた、それぞれの夏休み。悪意が自分に向けられるとは、想像もしていなかった。意外なつながり、意外な真相。鮮やかに紡がれた長編ミステリ!
    +++

    読み始めてしばらくは、子ども探偵団にやさしいお兄さんが協力してくれて謎を解くような物語かとおもったが、扱われている題材はかなりシビアなもので、章ごとに、別の場所で違う人たちが、同じ出来事に疑問を抱き、それぞれが調べを進めていく中で、章を追うごとに少しずつすべての人や調査の結果がつながり、さまざまな角度からひとつの事実を明らかにするのである。登場人物が多いので、後半で再度登場する人物がどういう人だったか、時々思い出せなくなることもあったが、物語の流れで、何とか思い出せたりもした。物事の表と裏や、同じ出来事でも、立場や見る角度によってあまりに違って見えることの恐ろしさなど、考えさせられることもいろいろあった。さまざまな誤解も解けたし、新しいつながりも生まれて、まずはよかったと言える後味の一冊だった。

  • 三人の少女をつないだのは、町であったという殺人事件。置き去りにされた謎を追いかける彼女たちに、危険が迫る。夏休み。悪意が自分に向けられるとは、想像もしていなかった──。鮮やかに紡がれた、著者史上、最高濃度の長編ミステリ!

  • 3人の女の子の視点から語られるのだけど、「うわあ、どうなるの!?」と気になるところで、他の人の視点に切り替わるので、真相が知りたくて、読みながらもうずうず。大崎さんらしい連続ドラマ的な感じでした。
    この3人の女の子の繋がりもわからないので、実は時系列がバラバラなのか?とか、他の子の語りの中で出てくるこの子があの子なのか??だとしたら..とか、いろいろ考えるのが面白かったです。
    面白かったし、まとまりも良かったけど、期待が大きすぎたのか、あともうひとつ!!な感じがしたので、星3つに。

  • 謎が解決してない状態で章ごとに語りが変わっていくので、謎がより深まって先が気になる展開に。少年少女を中心に謎解きをしていくので爽やか。
    読みやすい文章でもあるのでするすると楽しく読みました。

  • 文章もわかり易く、ストーリーも複雑ではないのに、何故か私自身にとっては難しくついていくのが難しかった。

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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