おとぎカンパニー 妖怪編

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913793

感想・レビュー・書評

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  • ショートショートと言えば田丸雅智。どの話も工夫されていて面白い。今回は妖怪編だが、よくまあこういう話を次から次へと思いつけるものだ。あれまあれまとおどかされる話も多いけど、ちょっぴりほろっとさせたりもする。現代の社会模様をよく取り込んでいる。

  • もしも現代社会に妖怪がいたら…?

    ファンタジーの主人公が登場した前作とは違い、今回はちょっと怖い路線なのかしら?と思いきや、そればかりでなく、愛嬌ある妖怪に思わずくすりとさせられたり、
    もちろん妖怪なので、ちょっといたいしっぺ返しをくらうこともあったり。
    "妖怪"って人を写す鏡のようだなと思わされる話もあったり、バリエーション豊かな短編集でとても読みやすい。
    妖怪もこんな風にたくましく現代社会を生き抜いているのかな…w

  • 短いながらも完成していて読みやすく、内容もすっと頭に入ってきた。
    妖怪が昔ながらの方法だけではなく現代社会で生活している様子が想像できて面白い。スキマ時間にピッタリと、あったが面白すぎて一気読みしてしまった。

  • 2020年12月光文社刊。シリーズ3作目。12の連作短編。日本古来の妖怪が現代に登場し、得意技の使い方に工夫があるのが面白い。ストーリー展開が、面白いものもあれば、面白くないものもあリました。

  • ショートショートの現代旗手と称され精力的な活動を行っている著者の作品。
    それぞれの物語の前に表紙絵があるのだが、かわいい。
    海坊主がお気に入りだが、その可愛さとは裏張りに、怖い話だった。

    「座敷男」はハートフル。
    神様になれず、歳だけとって不要とされてしまった元・座敷童子。
    「子役みたいなもんです」とちょっとズキンとする自嘲。
    ついてない主人公が、座敷童子としての素質がイマイチの座敷童子と同居する。
    なかなかいいことを起こせない座敷童子。
    叱る主人公。
    さて、結局二人は幸せになれたのか?
    軽妙な掛け合いが楽しい。

    「壁とともに」のぬりかべはやり手のセールスマン。
    うーん、これ、ちょっと契約したい!
    ゲゲゲの鬼太郎のイメージが強すぎるが、このぬりかべ、スマートすぎ。

    「N肉」は、某社の「謎肉」(美味しいよね)を思わせるが、まさか、「人間」のNじゃなかろうな?
    と思っていたが、そっちか!そっちかーでもそっちも嫌だぁ!

    昔から妖怪もすきだし、ショートショートも大好き!
    ちょっとこれはいい作家を見つけた。
    イラストも可愛い、装丁も良い、文章も軽妙。
    小学生から読めると思うが、社会人の哀愁を感じる意味ではぜひ大人も。

  • さまざまな妖怪をモチーフにしたショートショート集。っていうとホラーっぽいかな、と思いましたが。くすりと笑えるものやほっこりさせられる作品がたくさんあります。もちろん期待にたがわず、ぞくりとさせられるものも。妖怪好きにはとにかく楽しい一冊でした。
    お気に入りは「かまちゃん」。可愛いよかまちゃん! 以上(笑)。こんなの見かけたら……拾っちゃうかもなあ。とても大変そうではあるのですが。あんなものまでカットしてくれるのは素敵です。
    「目の代行」もこんなのあったらいいなーと思ってしまったのですが。オチに撃沈。上手い! してやられたという感じです。
    一番怖いと感じたのは「スノービューティー」。物事の本質を見失ってしまうとこうなるのだな……だけど主人公としてはこれで幸せだったと思ってしまうのかしら。それもまた怖いです。

  • 妖怪は現代に適合して生きているのか適合出来た妖怪だけが現代を生きているのか。自分のできることを社会にどう生かすかが長く楽しく生きるコツなんだろうと思った。忙しい日々にはまとめて時間を作るのは難しい。と考えるととても手を伸ばしやすい本。

  • 現代社会に生きる人間と昔からの妖怪たちが織りなすショートショート。すごく読みやすくて楽しかった!


    昔見ていたゲゲゲの鬼太郎に出てきた妖怪が、現代に営業マンとして出てきたりして面白かったなぁ。ぬりかべの営業と百目の営業はなんか騙された気がしたな。あと読んでいくうちに「どうか!どうかこの話はハピエンで!」って思いながら読んでる自分がいるし、実際「これって世にも奇妙な物語ぽい…」と思う話もあった。


    好きなのは「川の陶工」と「座敷男」かな。ブラック企業に勤める子が出張のときに出会った皿に惹かれて河童に弟子入りするのと昔は座敷童子をやっていたが現代に座敷がなくなり、座敷がある家はオーディションで選ばれる時代になり、落ちまくっていたら大人になり神様になるにも試験に落ちまくった元座敷童子の話。面白かったなぁ。


    発想が本当にすごい。今回は妖怪だったけど、日本昔ばなしの主人公や海外の童話の主人公のやつもあるみたいだから挑戦してみようかな。


    2021.1.23 読了

  • 雪女が営む美容クリニックに、ぬりかべ代行サービスって一体……!? 河童や座敷童子、かまいたちなどおなじみの妖怪たちが現代社会を舞台に大活躍!! 怪しさ満点の田丸ワールドへようこそ!スキマ時間にピッタリなショートショート集。

  • 現代に沿うようアレンジして今を生抜く「お馴染みの妖怪」たちを描いたショートショート12編

    ピリリと効いたブラックユーモア、妖怪ならではの成程サービス、サクリと読める楽しい作品です

    ハイテクで重くなる子泣きじじい、童が成長した座敷男がお気に入りです

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著者プロフィール

(著者プロフィール)
田丸雅智(たまる まさとも)

1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部卒、同大学院工学系研究科修了。
2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。
12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。
「海酒」は、ピース・又吉直樹氏主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。
坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、
現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。
書き方講座の内容は、2020年度から小学四年生の国語教科書(教育出版)に採用。
2021年度からは中学一年生の国語教科書(教育出版)に小説作品が掲載。
17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。
著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。
メディア出演に情熱大陸、SWITCHインタビュー達人達など多数。

「2023年 『憂鬱探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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