向日性植物

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914783

感想・レビュー・書評

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  • 向日性植物 李屏瑤、李琴峰/訳 | フィクション、文芸 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334914783

    SUNDAY LIBRARY:川本 三郎・評『向日性植物』李屏瑤/著 | 毎日新聞(有料記事)
    https://mainichi.jp/articles/20220725/org/00m/040/010000d

    【台湾高校生愛読書ベスト10ランクイン!】台湾で異例のベストセラー小説 李屏瑤『向日性植物』を芥川賞作家・李琴峰翻訳で7月21日(木)光文社より刊行!|株式会社光文社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001318.000021468.html

  • 台湾の百合小説を李琴峰さんの翻訳で読める、という。
    これは読まないわけにはいかない。

    1982年生まれの私の学生生活、憧れの先輩、恋と別れ。

    繊細な筆致によって、恋愛だけではなく高校生という少女から大人になるときの脆さや危うさを描いた作品。

    好きな人の名前を呼ぶ、出会う、その一瞬の特別な、何もかもが新鮮で瑞々しさに溢れていたとき。読んでいて涙が出そうになりました。恋をするってこういうことだったな。

    たぶん原文の味をちゃんと残していると思われる、李さんの翻訳も素晴らしいと感じました。ところどころ、日本語っぽくない語順になっているのが面白い。

    #向日性植物 #NetGalleyJP

  • すごく好きな小説だった。
    作者が「レズビアンがレズビアンという理由で死ぬことのない小説が書きたい」てと言って書いていた作品らしく(最高!)、作中にも、病気で亡くなってしまったレズビアンに「やっぱりレズビアンだから…」ていう邪推が入った時、主要キャラが「今どきのレズビアンは性的指向が理由で死なないんだよ」て言ってたのがすごく痛快で、嬉しかった。
    作中でレズビアンってプライドマーチとか、ボイとか、そういう言葉をちゃんと使ってくれてたのが嬉しい。

  • 一気に読んだ、読み進めたくなった

    わたしたちの希望になる作品だった

    この作品を書いてくれてありがとう、翻訳してくれてありがとう
    読み終わったあと、その気持ちが伝えたくなった



  • あの年代の気持ちの動きが泣きたいほど鮮やかに描かれていてよかった。同性の集団での気持ちとまわりとの距離とか、女子高の感じとか。違う国なのにね。

  • 主人公の「私」が惹かれたのは“姉分”(学校の姉妹制度の“姉”)の元恋人である“学姐”(先輩)の小游(シャウヨウ)だった。物語は女子高から始まり、少女達が大人になってからも続いていく、繊細で複雑な関係が描かれる。

    上手い感想が浮かばないのだが、さらさらとした文章で、最後にほんのりと静かに灯りが点る感じ。激しく揺さぶられるというよりは小さな波が打ち寄せては返すというか。
    「レズビアンが自殺しない物語が書きたかった」という著者の言葉(p233、訳者あとがき)と本書のタイトルの意味にそれらが表れていると思う。“百合小説”というよりはあえて“レズビアン小説”と呼びたい作品。
    私は著者/訳者あとがきを読まずにそのまま読み出したのだけど、あえてあとがきから読んで台湾のレズビアン/同性愛者の歴史、背景を知っておくとより物語に入れるかと思う。

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    「初めまして、游です」
    「游さん、初めまして。私は水泳が苦手です」p50

    「なんて答えたの?」と私は訊いた。
    「今のレズビアンはもう自殺しないって返した」p196

    ------------------------------------------------

    ●訳者・李琴峰 特別寄稿エッセイ(本がすき。)
    https://honsuki.jp/pickup/54463/

  • 2024.01.12読了。
    今年1冊目。

  • 描写力、表現力が素晴らしい。
    何度も息を呑むシーンがありました。こんな風景、私も見たことある。でも、こんなに綺麗なシーンに写せるのは、同性愛だから?もしかしたら、そうかもしれない。私たちが見逃していたけど綺麗なシーンが、彼女たちの大事なひとときなのかもしれないなと思いました。
    良作です。本屋さんで見かけて気になって読みましたが、出会えて良かったです。

  • 終わり方まで須く好みだった 文章自体もさらりと重すぎず植物のようだ 女子校時代に抱いた感覚を呼び起こさせる 小旻の最後のエピソードが胸に刺さる 彼女が殆どのキャンディをかつての同士たちに渡す気持ちが痛いほどわかる なぜならセクシャリティの変化は以前のコミュニティに属せなくなる可能性を秘めているからだ 特にレズビアンであるというセクシャリティで強く繋がった絆の中では

    キャラクターが濃い作品ではない 皆密やかに生きている 木のテーブルの丸い跡をありありと想像できる 木蓮の香りや窓を開けた際の風にそよぐその葉のさまも ジワジワと心に沁みる作品だった

    この小説が書かれた時には台湾ではまだ同性婚が許されていなかった 今はもう特注でなくてもウェディングケーキに飾るボイタチの新婦の人形は手に入るのだろうか これを読んで同性婚が家族の在り方の根本に関わるなんて言えないはずだ だって彼らはずっといるのだから

    また翻訳者である李琴峰氏の解説も非常に興味深い 台湾のレズビアン文学と日本のものとの対比とある種の批判が書かれている 社会へのコミットの仕方の違いだ これはレズビアン文学に限らず現在も日本という国が共通に持つ課題であろう 権利を勝ち取った国と与えられた国の対比なのかもしれない

  • こんなにも美しく清冽な恋愛が描かれたことがあっただろうかと思う
    「私」「学姐」「小莫」「小旻」「阿青」
    みんなにわたしの分身を見つけることができる
    現代台湾文学の力が感じられる作品
    私が子ネコの世話を始めたとき彼女はもう後輩ではなく学姐と同じ立場から愛するひとになった
    タイトルにこめられた著者の希望のひかりを同じ気持ちで見つめた

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