- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334914783
感想・レビュー・書評
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すごく好きな小説だった。
作者が「レズビアンがレズビアンという理由で死ぬことのない小説が書きたい」てと言って書いていた作品らしく(最高!)、作中にも、病気で亡くなってしまったレズビアンに「やっぱりレズビアンだから…」ていう邪推が入った時、主要キャラが「今どきのレズビアンは性的指向が理由で死なないんだよ」て言ってたのがすごく痛快で、嬉しかった。
作中でレズビアンってプライドマーチとか、ボイとか、そういう言葉をちゃんと使ってくれてたのが嬉しい。
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一気に読んだ、読み進めたくなった
わたしたちの希望になる作品だった
この作品を書いてくれてありがとう、翻訳してくれてありがとう
読み終わったあと、その気持ちが伝えたくなった
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主人公の「私」が惹かれたのは“姉分”(学校の姉妹制度の“姉”)の元恋人である“学姐”(先輩)の小游(シャウヨウ)だった。物語は女子高から始まり、少女達が大人になってからも続いていく、繊細で複雑な関係が描かれる。
上手い感想が浮かばないのだが、さらさらとした文章で、最後にほんのりと静かに灯りが点る感じ。激しく揺さぶられるというよりは小さな波が打ち寄せては返すというか。
「レズビアンが自殺しない物語が書きたかった」という著者の言葉(p233、訳者あとがき)と本書のタイトルの意味にそれらが表れていると思う。“百合小説”というよりはあえて“レズビアン小説”と呼びたい作品。
私は著者/訳者あとがきを読まずにそのまま読み出したのだけど、あえてあとがきから読んで台湾のレズビアン/同性愛者の歴史、背景を知っておくとより物語に入れるかと思う。
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「初めまして、游です」
「游さん、初めまして。私は水泳が苦手です」p50
「なんて答えたの?」と私は訊いた。
「今のレズビアンはもう自殺しないって返した」p196
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●訳者・李琴峰 特別寄稿エッセイ(本がすき。)
https://honsuki.jp/pickup/54463/
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2024.01.12読了。
今年1冊目。 -
描写力、表現力が素晴らしい。
何度も息を呑むシーンがありました。こんな風景、私も見たことある。でも、こんなに綺麗なシーンに写せるのは、同性愛だから?もしかしたら、そうかもしれない。私たちが見逃していたけど綺麗なシーンが、彼女たちの大事なひとときなのかもしれないなと思いました。
良作です。本屋さんで見かけて気になって読みましたが、出会えて良かったです。 -
こんなにも美しく清冽な恋愛が描かれたことがあっただろうかと思う
「私」「学姐」「小莫」「小旻」「阿青」
みんなにわたしの分身を見つけることができる
現代台湾文学の力が感じられる作品
私が子ネコの世話を始めたとき彼女はもう後輩ではなく学姐と同じ立場から愛するひとになった
タイトルにこめられた著者の希望のひかりを同じ気持ちで見つめた