切腹屋

著者 :
  • 光文社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914875

感想・レビュー・書評

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  • 読了。

  • 主人公は今で言う弁護士っぽい仕事の駆け出しで、負けたら切腹させられることになり、死ぬ気で駆けずり回る。相手は裏にヤクザみたいのもついてるし、命を狙われながらも不利な事案を最後は勝ち取る爽快ものだった。こういう仕事ってこの時代からあったんだなというのも勉強になった。

  • 公事師ってはじめて知った。
    “こうじし”かと思ったけど”くじし”だと、読み終えた後に知る。

    江戸の風俗の裏側を知るというポジションは、物語になるし、いいとこ見つけたなぁ。

  • 切腹屋と言っても武家ではなく、若い公事師(弁護士)・辰次の物語です。今の弁護士と異なり、お白洲(裁判所)がプロの介入を嫌うため、裏で糸を引くのが役割。
    楽勝と考え「負けたら腹を切りますよ」と大見えを切って仕事を貰ったのは良いが、話を聞いたら全く逆で大劣勢。その上、相手方に付いたのが人殺しも辞さぬというやり手公事師。知恵は有るものの少し気弱で若い辰次は、周りに小突き回されながら悪戦苦闘。というのは、岩井さんの御得意パターンです。
    そこに、公事宿の出戻り娘・おつうが色を添え、さらに大奥を40年勤め上げた藤波ばあさんが良い味を出して。
    目を凝らせば穴のあると思われるストーリーながら、軽快に楽しく読める時代小説でした。

  • お白州の指南をする公事師。新市場を開いたことの是非。悪徳公事師、偽の絵図、二重スパイ、脅し脅され。お上を愚弄したことを咎められ内済を勧められる。端からそのつもりか。勝てはしなかったが負けなかった。命の危険があって二十両は安いのか高いのか。結婚できて良かった。シリーズ化はあるかどうか。

  • 時代小説の法廷もの、みたいなちょっと珍しい小説。
    負けたら切腹するとうっかり大見得を切ってしまった辰次。圧倒的劣勢の中どうやって巻き返すのか?!
    とあらすじを書くと主人公辰次がいかにも有能そうな感じしますが実際は行き当たりばったりでどたばたストーリーです。
    なかなかに気持ちよく読めましたが、ちょっと恋愛だとか自分の親の仇討ちだとか誰が裏切ってるのかみたいなちょっとしたミステリだったりとか詰め込みすぎなきらいはあるような。
    でもまああっさりと読む分には気軽に楽しむ読めたので良作、かな。

  • 江戸時代の裁判=公事の手伝い役・公事師の駆け出し・辰次は負けたら切腹すると大見得を切り、大金三十両の仕事を受ける。が、実は形勢は圧倒的に不利! 必死になる辰次に逆転の目はあるか? 人情味豊かに描くエンタメ時代小説の快作!

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著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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