独白するユニバーサル横メルカトル

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1249
感想 : 254
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334925109

作品紹介・あらすじ

2006年度日本推理作家協会賞受賞作。怪談実話のスーパースター・平山夢明の恐るべき結実。絢爛たる第一短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 何回読み返しているかわからんくらい好き

  • 全体的にグロとナンセンスをばらまいた短編集。「粘膜シリーズ」からの流れで読んだがあちらの方がユーモアがあって良かったか。表題作は地図がしゃべるという突拍子もない設定だが奇妙な物語あたり実写化できそうな内容であった。

  • 人間の尊厳がグチャグチャになった物語を摂取して元気になろうとジャンキーみたいな思考回路で手に取ってしまったが、素直に凹んだ。ギャグ漫画みたいに明るく狂ってないんだもの。文章も理知的というか、お洒落で。狂気の中に普通のヒト的感情が垣間見えると落ち込むからやめてほしい。
    でも不快感はないので不思議だ。こういうものを時々、読みたくなる…

    「Ωの聖餐」と「無垢の祈り」はこれ、ハッピーエンドでは?と思ってしまったから恐ろしい世界観。でもこの2つが好きだったな。

  • とんでもない本を読んでしまったな。危険取扱注意。この本を読んではいけない人が確実にいるだろう。淡々とした渇いた救いの無いグロと暴力の応酬。弱い者が夕暮れさらに弱い者を叩くような一冊。
    ・ニコチンと少年:ニコチンてそういう意味か
    ・Ωの聖餐:リーマン予想証明の代償と屍体喰い
    ・無垢の祈り:クソによるクソからの開放
    ・卵男:205号はただの番号じゃない
    ・独白するユニバーサル横メルカトル:地図の使いみち

  • '22年11月19日、第二編の途中で、中断…

    あまりにも気持ち悪くて、読んでいられませんಥ⁠‿⁠ಥ

    どうしようかな…少し時間をおいて、再チャレンジするかも。

  • グロテスクで不条理、一気読み。
    ニコチンと少年:病んだ町に飲込まれた少年
    Ωの晩餐:遺体処理に飼われた男
    無垢の祈り:殺人犯に救いを求める少女
    メルカトル:語り手は地図。殺人鬼タクシー運転手への献身

  • 以下の二篇が特に記憶に残った。Ωの聖餐、血と不潔の中にある知性と愛情のコントラストが印象的。卵男、読後感が好き。だんだん焦点があってくる感覚。

  • 人を殺める程の殺傷能力を有する文章。
    俺たちはみんな出鱈目な世界で生きている。

  • 平山夢明 著『独白するユニバーサル横メルカトル』光文社

    キツい・・・これはキツいけど、噂に違わぬ傑作短篇集でした。

     中盤に収録されている『オペラントの肖像』『卵男』はいずれも映画『ブレードランナー』『マイノリティ・レポート』アニメ『サイコパス』などに通じるSFサイコ・サスペンスで、『すまじき熱帯』はまんま『地獄の黙示録』を借景したブラック(ユーモア?)スプラッタ作品。内容のエグさに反比例する喉越しの良さと痛快さがある不思議な作風です。
     『セブン』、そしてなぜか映画版『オールド・ボーイ』の風味が鼻の奥にツンと来る『Ωの聖餐』は紛れもない傑作です。本書のナンバー1でした。
     ジャブにちんこネタ突っ込んでくる光文社の神経もどうかしている巻頭の『C10H14N2(ニコチン)と少年』は、読み口の不快感を説明するのにどうしようもなく自分の青臭さと向き合わないといけない置きどころに困る一編でした。
     ぶっ飛んだ設定が神がかってる表題作の『独白するユニバーサル横メルカトル』。これは凄い。変態作家の面目躍如。誰が書けるよ、この設定・・・。
     読んでる間に2~3回失神しかけた『怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』。これは名作長編『DINER』へと続く重要作です。
     そして残るは『無垢の祈り』・・・実は本作を手にとったのはこの短編が映像化されていると知ったからなのですが、先に原作を読んで、【絶対に実写版は観ない】と心に決めました。

    読み終えてから2週間弱してようやく感想をかける壮絶読書体験でした。

  • 短編二話目で最後まで読むのを断念決断。

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著者プロフィール

1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。

「2023年 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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